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大統領候補ら、初めての討論会で朝鮮半島の安保・THAADめぐり攻防

登録:2017-04-14 01:15 修正:2017-04-14 08:01
文在寅「北朝鮮にも挑発の中止を要請する」 
安哲秀「ウォートン同門のトランプ大統領を思いとどまらせる」 
沈相ジョン「朝鮮半島で軍事行動があってはならない」 
洪準杓・劉承ミン、衝突には反対するが 
「米国と協議後、軍事対応を検討」 
 
THAADに対する立場の変化巡り議論に 
「右偏向」への批判に文・安、質問回避 
洪・劉「保守票の狙って前言翻したか」と攻撃
今月13日、ソウル麻浦区上岩洞にあるSBSプリズムタワーで開かれた討論会で(左から)自由韓国党の洪準杓、国民の党の安哲秀、正しい政党の劉承ミン、正義党の沈相ジョン、共に民主党の文在寅候補が討論会に先立って記念撮影をしている=国会写真記者団//ハンギョレ新聞社

 13日、主要大統領選候補5人が初めて一堂に集まった討論会の最初の質問は「米国の北朝鮮先制攻撃の動き」だった。2012年の大統領選挙で候補討論会(中央選管委員会主管)の最初の質問が「韓国社会に必要な大統領のリーダーシップ」だったのに比べると、深刻な安保状況が反映された結果だ。当時、北朝鮮政策と米中の外交政策関連の討論は後半部に配置された。

 同日、韓国記者協会の主催でソウル上岩洞にあるSBS公開ホールで開かれた大統領選候補者招請合同討論会の最初の共通質問は、「米国が北朝鮮に軍事攻撃を行おうとしたら、どう対応するかの優先順位を三つを決めてほしい」だった。各候補たちは、軍事的衝突があってはならないということに同意しながらも、「絶対容認できない」と「協議後に攻撃」にそれぞれ重きを置いた。有権者たちの不安を和らげながらも、強力な安保大統領のイメージを固めるための布石だ。

 共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)候補は「米大統領に電話して韓国の同意なく米国が一方的に先制攻撃を行ってはならないことを確実に伝え、先制攻撃を保留させる」と述べた。さらに、「全軍に非常命令を出し、国家非常体制を稼動する。北朝鮮に様々なチャンネルを通じて先制攻撃の口実になる挑発を直ちに中止することを要請し、その過程で中国とも協力する」と説明した。

 国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補は「米中首脳と電話で協議する。トランプ米大統領に戦争は絶対いけないと伝えると共に、中国の習近平国家主席にも北朝鮮に圧力をかけるようよびかける」と述べた。さらに、「北朝鮮に挑発の中止を求める声明を発表し、軍事対応態勢を強化する」と付け加えた。安候補は「トランプ大統領とウォートン・スクールの同門」だと強調した。

 自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補は「米国と協議して先制攻撃が行われないようにすることが最も重要だ」としながらも、その次の対応としては「先制攻撃のとき戦闘準備および国土奪還作戦に突入すること」を挙げた。正しい政党の劉承ミン(ユ・スンミン)候補も「予防的自衛権的措置の先制攻撃をするなら、韓米間の緊密な調整と十分な合意、軍事的準備をした上で行わなければならない」とし、「事前調整」に重きを置いた。一方、正義党の沈相ジョン(シム・サンジョン)候補は「いかなる場合でも、朝鮮半島での軍事行動があってはならない。米中首脳と電話会談し、必要ならば特使を派遣する」と述べた。

 最近、候補らの前言翻しを巡り議論になった高高度防衛ミサイル(THAAD)システム配備関連の討論では、食物連鎖のような候補間の力学関係が如実に現われた。THAAD配備と関連し、「安保右偏向」で批判された文在寅・安哲秀候補は、互いにTHAAD配備については質問しなかった。一方、安候補に保守層を奪われている洪準杓・劉承ミン候補は「安候補が保守陣営の有権者を狙って急にTHAAD配備反対から賛成に回った」と攻撃した。強力なTHAAD配備賛成論者の劉候補は「(安保)状況はすでに昨年9月から変わったのに、大統領選挙まで1カ月を切った今になって立場を変えるのは(配備に反対する)全羅道票を確保して党内予備選挙で勝利し、(配備に賛成する)保守陣営の票を狙おうとする政略としか言いようがない」と批判した。これに対し、安候補は「最近(立場を)変えたわけではない。状況が変わったため、今年初めから主張してきた」と言い返した。

 「THAAD配備は、次期政府で決める問題」としながらも、「配備が避けられない」可能性に言及した文候補も攻撃を受けた。「こんなに国家安保が脅かされているのに、北朝鮮を訪れるというのは北朝鮮追従の左派」(洪準杓)、「昨年5回目の核実験までは反対していたのに、『もし6回目の核実験をすれば、賛成する』という風に聞こえる」(劉承ミン)との主張に、文候補は「北朝鮮核問題を解決できるとしても、洪候補は北朝鮮に行かないのか」、「賛成か反対か、配備か撤回かなど、両方の可能性を残して次期政権に委ねようということ」だと反論した。

キム・ナムイル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/790682.html 韓国語原文入力:2017-04-13 22:47
訳H.J(2203字)

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