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[社説] 韓国の国民年金は「スチュワードシップコード」導入を先導すべき

登録:2017-03-17 23:36 修正:2017-03-18 07:32
17日午前、ソウル良才洞の現代自動車本社でイ・ウォンヒ現代自動車社長が定期株主総会を進める中、ある株主が発言している/聯合ニュース

 多くの企業が昨年の事業を決算する株主総会を開き始めた。17日には178の上場企業が開き、24日にはさらに多くの上場企業が株主総会を開く。しかし、今年も投資家は株主総会の結果に特別の関心を持たずにいる。少数株主にはほとんど影響力がなく、持分の多い機関投資家も機械的挙手機の役割に甘んじていて、どうせ結論が明らかなためだろう。

 17日に開かれた株主総会の中では現代自動車の株主総会がそれなりに関心を集めた。「良い企業支配構造研究所」がチョン・モング会長の背任・横領前歴などを問題にして社内理事再任案に反対すべきだという意見を出したためだ。しかし、この案件も開会20分後には何事もなく通過した。現代自動車の株式持分8.14%を保有するNo.2大株主の国民年金は棄権したと伝えられた。

 国民年金の議決権行使方式には問題がある。国民年金は昨年末、韓国の上場企業株式を102兆6千億ウォン(約10兆円)分も保有している。今月初めの集計によれば、5%以上の持分を保有した上場企業が現代自動車を含め285社に達する。その影響力は強大だ。ところが、その持分に対する議決権をどんな基準で行使するかは不透明だ。2015年7月、サムスン物産と第一毛織の合併案件では財閥総師一家の利益のためにさえ動員された。

 国民年金が国民の財産をちゃんと増やしているかも重要だが、基金を運用する過程で公益を実現するためにも努力しなければならない。そのためには独立性を強化しなければならない。その一環としてまず導入しなければならないのが「スチュワードシップコード」だ。スチュワードシップコードは、機関投資家が加入者の財産を誠実に管理するために遵守しなければならない管理の原則を定めたものだ。韓国でも昨年12月、民間主導で7大原則を盛り込んだ韓国型スチュワードシップコードを制定した。議決権行使の具体的内容と理由を公開し、これを顧客と受益者に周期的に報告することを要求する内容などを含んでいる。導入すれば、市場の監視機能が一層強化されるだろう。しかし、300を超える機関投資家の中で、これを導入したところはまだ一カ所もない。皆が国民年金の顔色を伺っている。

 国民年金基金の積立金は今後も相当期間増え続ける。基金運用の信頼を回復してこそ年金制度が動揺しない。一日も早くスチュワードシップコードの導入を先導し、崩れた信頼を回復する転機にすることを望む。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/786966.html 韓国語原文入力:2017-03-17 17:20
訳J.S(1133字)

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