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[社説]頭隠して尻隠さずの朴・チェの組織的詭弁

登録:2016-12-20 21:38 修正:2016-12-21 06:54
19日午後「陰の実力者」チェ・スンシル氏の国政壟断と関連した公判準備期日が開かれたソウル中央地裁417号刑事大法廷にチェ氏が入っている。アン・ジョンボム元大統領府政策調整首席秘書官、チョン・ホソン元大統領府付属秘書官は出席しなかった=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パク・クネ)大統領が国会の弾劾訴追理由を全面否認するや、19日に法廷に立ったチェ・スンシル氏も検察の11点の公訴事実全てが事実ではないと主張した。国会の聴聞会に先立って大統領派の議員らとチェ氏の側近がタブレットはチェ氏のものではないと偽証するように口裏合わせをしていたという疑惑に続いて、チェ氏の弁護人もまた同じ主張をして裁判所に検証を求めた。これまでマスコミの調査報道や検察の捜査で確認され、国民の誰もが常識として知っている内容まで覆して、裁判の手続きも遅らせようとする腹づもりと見られる。国民に謝罪会見をして「死に値する罪を犯した」と言って許しを乞うた人はどこに行ってしまったのだろう。

 もちろん法廷で弁護権を行使するのは彼らの権利だ。しかし国民ががまんできる限界を越える程になると自ら罰を招くことになるだけだ。憲法などの法律を自分勝手にこねつぶしておいて、今になって法の保護を要請する態度は卑劣だ。

 朴大統領は憲法裁判所に出した答弁書で「チェ・スンシルの私益追求を認識できなかった」として「チェ・スンシルを間違って信じたのは政治的かつ道義的責任にすぎない」と主張した。すべての責任をチェ氏に押し付けて自分は全く知らなかったという弁解で一貫している。文書を流出したのも単純な諮問に過ぎないとして米国流の隠語である「キッチン・キャビネット(私設顧問団)」まで動員している。

 チェ氏と弁護人がこの日、朴大統領との共謀などの一切の疑惑を否認したのも憲法裁判所の答弁書の基調に忠実に沿った結果のようだ。しかし長官や大統領府首席秘書との対話は避けながら、チェ氏の国政壟断を「キッチン・キャビネット」云々すること自体が国民を愚弄する詭弁だ。朴大統領とチェ・テミン家が40年も一心同体で過ごして政治・経済的な利害関係を共有してきたと相当数の国民が信じていることともお門違いの自己弁解に過ぎない。

 チェ氏と弁護人は法廷で「どんな罪でも受けるとドイツから帰ってきたが、検察庁に入った日から明け方まで多くの取り調べを受けた」として「捜査官を拘置所に送って不法逮捕するなど、人権侵害のような捜査があった」という主張まで繰り広げている。チェ氏の公訴事実でもないタブレットについて量刑に決定的な証拠だとして鑑定を求めたのも弾劾の正当性をくずして公訴事実全体を陰謀説で揺さぶろうとしいるのではないかと疑われる。タブレット等を通じた公務上の秘密漏洩で起訴されたチョン・ホソン前秘書官がすでに大統領との「共犯」であることを自白しているというのだから、チェ氏の主張は政治的攻防を狙っているのでなければ理由に欠ける。

 パク・ヨンス特検チームが21日に開始式を開いて公式捜査を始める。朴大統領のわいろ疑惑とキム・キチュン、ウ・ビョンウらの職権乱用疑惑など、捜査する課題は多い。それでも朴大統領やチェ一族が40年間に築いた財産などの癒着関係を必ずや暴いて、彼らの実体を全国民に赤裸々にする責任は重大であることを忘れないように望みたい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2016/12/20 20:09

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/775405.html 訳T.W

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