鉄道労組のストライキが50日目を迎えた15日、政府が労組の現業復帰を求める合同談話文を発表した。イ・ギグォン労働部長官がその前日「労働改革がストップしてはならない」と発言したが、コレイル(韓国鉄道公社)は早速スト参加者に対する懲戒手続きに入った。朴槿恵(パク・クネ)大統領が先頭に立って推進して来た「労働改革」自体が、財閥の請託を受けた「政経癒着の産物ではないか」という疑惑が強まっている最中に、民心とかけ離れた行動と言わざるを得ない。
鉄道労使は7日から3日間集中交渉をしたが、決裂した。組合側は会社側が一方的に処理した成果年棒制を確定判決が出るまで中断し、来年の団体交渉で労使合意により決めようという最終案を提示した。 会社側は、既に改定された報酬規定の効力の有無は司法的判断に従うことにし、来年12月までに労使合意案を作成しようと対抗した。
ストの長期化には会社側の責任が大きい。成果年棒制を労使合意なしに強行したあと、労組の交渉要求はもちろん野党の社会的大妥協機構構成の提案まで一蹴したあげく、スト42日目になってようやく交渉に出たということ自体が無責任である。軍所属の代替機関士が運転未熟のために故障を起こすなど、相変らず事故の恐れが多い上に、17日の大学修学能力試験まで控えているにも拘らず政府は解決法の模索より労組非難に一層熱を上げている格好だ。
成果年棒制を含めた「労働改革」自体が、大統領府が率先推進して来た事案であり、その背景に朴大統領の誤った労使観があることはもちろんである。 特に「朴槿恵-チェ・スンシル ゲート」の暴露で財閥から774億ウォンをまきあげるのに大統領が積極的に関与した事実が明らかになる中で、労働改革を強力に推進した背景まで疑われている。
全経連などが2014年7月に「業務成果が不振な者に対する解雇要件の拡大」など153件の規制改革を要求して以来、朴大統領は2015年の新年記者会見や国会での施政演説など、口を開きさえすれば「労働改革」を強調した。去年7月24日25日には7人の財閥総帥に次々と単独面談した後、8月6日の対国民談話で労働市場改革を強調し、2カ月後には大企業がそれぞれミル財団に巨額を出したのだから、そんな疑いをかけられるに充分である。
労組の同意なしに強行した成果年棒制は、明らかに労働基準法第94条第1項違反である。これに抗議して調整手続きまで経た鉄道労組のストライキは当然のことながら合法だ。コレイルは懲戒手続きを中断し、政府は「労働改革」にこれ以上未練を持つべきではない。
韓国語原文入力: 2016-11-15 18:21