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[社説]金正恩体制を築いた北朝鮮と核問題

登録:2016-05-11 06:59 修正:2016-05-11 07:59
金正恩北朝鮮労働党第1書記(壇上前列左から4人目)が9日、党委員長に選出された後に参加者らの拍手を受けている=共同・連合ニュース

 9日に終わった北朝鮮第7回労働党大会は、数年間進行した金正恩(キムジョンウン)体制の構築を終える舞台であった。大会の最終日、金正恩第1書記が「労働党委員長」という新しい“最高レベル”に格上げされたことは、金日成(キムイルソン)・金正日(キムジョンイル)に続く長期政権を目指していることを示している。しかし金正恩政権の戦略とビジョンは特に変わっているものはなく、孤立と経済難から抜け出し難いようである。

 金第1書記は金正日政権の時の“先軍”政治とは差がある党中心体制を作った。党の要職人事でも急激な変化を避けて老・壮・青年の調和を試みている。執権以来試みていた血の粛清を基本にそれなりに安定しつつあるようにみられる「金正恩唯一体制」の新しい枠組みをしたのである。北朝鮮内でこの体制に対立する勢力は少なくとも当分はないようだ。韓国をはじめとする関連国は金正恩・第1書記のこのような地位を現実的に認めて対北朝鮮政策を繰り広げる必要がある。

 金第1書記が核・経済並進路線を繰り返すのに終わったことは、新しい体制の限界を示している。経済部門で現実性ある計画を示しえていないことを考慮すると、現在、金正恩政権の内的正当性を後押しするものは核だけといっても言い過ぎではない。実際に彼は北朝鮮を「恒久的核保有国」と宣言し、そのような内容が党の規約にも明記された。しかし北朝鮮を核保有国に受け入れる国がない以上、このような路線は国際社会とのあつれきを深めるほかない。核問題に全てのものが連動する膠着状態が持続される。

 それでも核問題の解決方法を見つけようとする努力は続けなければならない。ここには両側の態度の変化が共に必要である。まず北朝鮮は核に対する執着を捨てるべきだ。政権の正当性は、核でなく住民生活の向上にあって、核と経済の並進路線は成立しえないということを知るべきである。北朝鮮がこのような判断ができるように関連国は導線を提供して北朝鮮との対話に向かうことも重要である。関連国は北朝鮮が核放棄の道に踏み込んでくる小さな可能性でも膨らませるべきである。中国が今年初めから進めている非核化・平和協定並行路線もその一つだ。

 金正恩体制は安定性と脆弱性という両面を持つ。それでも深刻な経済・外交の挑戦に無難に対処できるほど安定しているものではない。外部の圧力に簡単に崩れるほど脆弱でもない。結局カギになるのは核問題であるだけに、北朝鮮と関連国の全てがその解決策に焦点を合わさねばならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016/05/10 19:26

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/743224.html 訳T.W

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