登録 : 2016.04.25 08:20 修正 : 2016.04.25 09:10

国家情報院職員のユ氏に対し国家情報院法違反の疑いで最初の公判が開かれた22日、ソウル中央地裁前でインターネットニュース番組の司会者「マンチ婦人」のイ・キョンソン氏が自分の立場をスマートフォンで中継放送している=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社
 「左翼梟首」というハンドルネームでインターネットに悪質な書き込みなどをしていた国家情報院職員のユ氏(42)に対し、裁判所は最近、侮辱容疑だけを認めて国家情報院法違反などの容疑については無罪を言い渡した。彼が匿名で密かに発表した各種の悪性・低質な政治介入発言の罪状に比べれば、あまりにも軽い判決だ。しかし、裁判所が免罪府を出した判決後は、検察の見て見ぬふりをする起訴が続いた。検察と裁判所が協力して国情院職員の明白な不法行為に目を瞑る事態となっているのである。

 ソウル中央地検公安2部は、昨年11月にユ氏を在宅起訴しており、当初、国情院コメントの特別捜査チームが発見したユ氏の選挙介入の掲示物など数百件の書き込みを除いたまま、10件の書き込みだけを起訴したことが明らかになった。特別捜査チームは、ユ氏が2011~2012年当時、野党の有力な大統領選候補だった安哲秀(アンチョルス)「国民の党」共同代表を非難する文章をはじめ、選挙介入の書き込みやコメントを数百件も掲載したことを把握し、詳細な捜査記録まで残したが、起訴段階では、こうした疑いがすべて抜け落ちてしまった。

 検察は、当初からユ氏を庇護しようとした。ユ氏から口にすることもできない恥ずべき侮辱を受けたインターネット放送進行者「マンチ婦人」のイ・キョンソン氏が告訴状を出したにもかかわらず、検察は2年間も捜査を引き延ばした。検察が「左翼梟首」の身元確認さえしなかった間に、イ氏は国家を相手に出した損害賠償訴訟で「左翼梟首が国情院の職員という点が立証されなかった」などの理由で敗訴した。実は、検察はすでにユ氏の犯罪行為を熟知しながらダラダラ引き延ばし、しぶしぶ起訴しておきながら、重大な犯罪容疑はすべて排除していた。これで検察が法と正義を主張することができるのか溜息が出てくる。

 検察の中身のない「縮小起訴」も問題だが、かといって裁判所の免罪符の判決が正当化されるわけでもない。ソウル中央地裁刑事5単独のイ・チャンギョン判事は、判決文で「ユ氏は選挙と関係なく、非常に低俗でかつ過激な表現で誹謗コメントを持続的に載せてきた」と述べた。それでいながら公務員の政治的中立義務違反容疑は無罪を宣告しているのだから、ひどい矛盾だ。

 他の事件と比較してみても公平性の欠片もない。2014年の地方選挙を控え、フェイスブックに朴元淳(パクウォンスン)ソウル市長を支持する文章を載せたソウル市公務員や、政府政策を批判する時局宣言をした全教組の教師に対し、裁判所は迷わず有罪判決を下した。裁判所は“与党偏向”との批判を受けても返す言葉もないだろう。

 左翼梟首のでたらめな起訴事実が明らかになった以上、関係者らと検察指揮ラインに対する徹底した問責が伴わなければならない。また検察は、抗訴審の裁判過程で当然追加の起訴をすべきだ。検察と裁判所の国情院の庇護は法治主義の基本を揺るがし、司法機関の信頼を地に落とす行為だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-04-25 01:11

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/741102.html訳Y.B

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