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国情院コメント事件、外圧暴露した元警察官を“偽証”告発で調査

登録:2015-07-31 23:29 修正:2015-08-01 09:11
大統領選挙介入捜査、止まぬ逆風
「国家情報院大統領選挙介入コメント事件」に関する偽証の疑いで告発され出頭したクォン・ウニ議員(新政治民主連合)が30日午前、ソウル瑞草区のソウル中央地検前で記者たちの質問に答えている=キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 30日午前9時50分頃、ソウル・瑞草(ソチョ)洞のソウル中央地検庁舍前。 クォン・ウニ新政治民主連合議員(41)が微笑を浮かべて記者たちの前に立った。警察の制服を脱いで昨年の7・30再補欠選挙に出馬し国会議員に当選してちょうど1年。 キム・ヨンパン元ソウル地方警察庁長官(57)を処罰させるために裁判で偽証したという疑いで告発され検察に出頭した彼女の表情は明るかった。

 「捜査過程に縮小と隠蔽があったという主張に変わりはないか」との記者の質問に対し、クォン議員は 「(縮小・隠蔽は)国家情報院事件捜査の結果から明らかになった事実であり、皆が知っていることだ」として、「足掛け3年、事件が巡り巡って私のところにやって来た。まだ国民に知らせるべき内容がたくさんある」と述べた。

 2012年12月11日に露見した国家情報院大統領選挙世論操作事件は、多くの浮沈を経験した。 当時ソウル水西(スソ)警察署の捜査課長だったクォン議員は、事件を最後まで捜査できずに翌年2月、松坡(ソンパ)警察署に異動発令された。2カ月後に彼女は「国家情報院事件の捜査過程で警察上部の外圧があった」と暴露した。

捜査初期の上部圧力を暴露したクォン議員
逆に処罰される危機

保守団体の告発で検察に出頭
「国家情報院事件が巡り巡って私のところに
まだ国民に知らせるべき内容がたくさんある」

検察捜査を主導したユン・ソギョルも
重懲戒処分を受け閑職に押しやられる

 検察も同じだった。この事件の特別捜査チーム長だった当時のユン・ソギョル水原(スウォン)地検驪州(ヨジュ)支庁長(55)は、2013年10月国会の法制司法委員会国政監査で「国家情報院捜査ができないほどの外圧を感じた」と述べた。 彼の直属上官で捜査を指揮したチョ・ヨンゴン当時ソウル中央地検長(57)は、「野党を助けてやることはない」と言って、国家情報院の職員逮捕と家宅捜索を阻んだ。 ユン元チーム長は重懲戒処分を受けて閑職に押しやられ、特別捜査チームの垣根になってくれたチェ・ドンウク前検察総長(56)は、釈然としない背景から飛び出してきた婚外子問題で2013年9月、不名誉な退陣をする。

 クォン議員はこの日、チェ前総長とユン前チーム長の名前に言及して「(彼らの)努力により、多くの事実が明らかになった」と話した。

 外圧の中でも国家情報院の政治介入と警察の政治的偏向が一部確認され、関連者らが裁判に付されたが、以後の過程は順調ではなかった。 大統領選挙の三日前である2012年12月16日午後11時に「(国家情報院職員が書いたコメントの中から)文在寅(ムン・ジェイン)と朴槿惠(パク・クネ)候補に対する支持や誹謗のコメントは発見されなかった」という報道資料を出させたキム・ヨンパン元ソウル警察庁長は、誰が見てもその“意図”は明々白々だったが無罪宣告を受けた。 控訴審では「警察の中間捜査結果発表が当時朴槿惠候補に有利に作用する可能性が大きいということには異見がない」としつつも、「特定候補者の当落にその目的があったということが客観的には認めらない」と表明し、大法院(最高裁)は今年初めこれをそのまま確定した。 ウォン・セフン元国家情報院長(64)については、控訴審が公職選挙法違反罪を認めたが、大法院は16日「有罪判決の根拠となった証拠には証拠能力がない」として事件をソウル高裁に差し戻した。

 その間にいわゆる保守団体は「キム元庁長が国家情報院職員に対する家宅捜索令状申請を阻んだ」というクォン議員の法廷証言は偽りだとして検察に告発した。 露骨に選挙に介入した捜査・情報機関の長たちは兔罪符を受け、あるいは容疑の相当部分を減らすことが予想される一方、これを暴露した警察官は処罰される危機に立たされたわけだ。

 クォン議員はこの日 「ウォン元院長事件記録の確保」とともに「キム元庁長と国家情報院のコネクションが載っている資料を要請」する計画だと明らかにした。 キム元庁長の捜査外圧が事実であるという自らの主張を証明するために、裁判所に二つの事件の捜査記録を要請するという意味だ。

チョン・ファンボン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/702542.html 韓国語原文入力:2015-07-30 22:01
訳A.K(1997字)

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