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[社説]「脱北者バイト」保守団体デモの黒幕は誰か

登録:2016-04-23 01:22 修正:2016-04-23 06:45
大韓民国父母連合チュ・ソンヒ事務総長(右)と会員らが22日、ソウルの事務所で全国経済人連合会の資金を受け親政府集会に脱北者たちを動員した疑惑に対する反駁記者会見の横断幕を張っている=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 大韓民国父母連合(父母連合)など、保守団体によるいわゆる「脱北者のバイト動員」疑惑がますます膨らんでいる。父母連合は22日、全国経済人連合会(全経連)から資金支援を受けたことを認めたが、大統領府の指示については、最後まで疑惑を否定した。釈明と言っても辻褄がまったく合わず、(聞いていると)思わず笑いが漏れてしまう。当初はメンバーのユニフォームを制作し、集会の人件費に使ったと言っていたが、「無料給食の費用」と前言を翻したのもまずかった。日当を支給して脱北者を動員した事実を否定できないのに、「なぜ私たちだけ問題視するのか」と開き直る態度はもはや話にもならない。

 父母連合が権力の庇護を受けているという疑惑はさらに深まった。父母連合は、事務所の家賃すら払えない状態にあったという。そんな団体が2014年の7〜8カ月間でセウォル号遺族を非難する集会だけで7618万ウォン(約735万円)をアルバイト費用として支払った。会費で運営しているというが、同団体の資料でも月会費がせいぜい260万ウォン(約26万円)にすぎないから、辻褄が合わない。 2014年には全経連が1億2000万ウォン(約1160万円)を支援したことが確認された。全経連が誰の要請で、このお金を秘密裏に振り込んだのか、明らかにすべきだ。それ以前と以降には、どのような支援があったのかもわからない。父母連合と、住所と役員が重なるある団体が、政府の補助金を受けることになっていたが、このような支援チャネルの一つではなかった疑いもでてくる。

 国家情報院との癒着の痕跡も随所で明らかになった。父母連合幹部らは、国家情報院によるソウル市公務員ユ・ウソン氏のスパイねつ造事件当時、ユ氏がスパイである証拠を提供したとされる脱北者キム氏に、経費として500万ウォン(約48万円)を支給したと明らかにした。キム氏は、裁判で父母連合に、国家情報院に資料を伝えてほしいと頼んだと証言した。父母連合と国家情報院が密接な関係にあったことを示す情況だ。国家情報院の報告書と推定される文書に「父母連合などを通じてパク・ウォンスン・ソウル市長を非難する世論作りを図らなければならない」という内容が盛り込まれていたという報道もあった。

 父母連合がこれまで並はずれた情報力と機動力を見せたのも、権力の支援なしでは説明が難しい。平判事が一時住んでいたワンルームの住所や主要参考人の検察出席予定、政界の急変する問題などは、一般の人が公開された情報を通じて簡単に入手できるようなものではない。ここまで来れば、いくら否定しても、資金支援を手配し、情報を提供した「黒幕」の存在を隠せないだろう。どこまで「黒いコネクション」が広がっていたのかが気になる。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-04-22 19:28

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/740923.html 訳H.J

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