登録 : 2016.03.28 22:22 修正 : 2016.03.29 06:41

チョン・ソック編集人 //ハンギョレ新聞社

 4・13総選挙公認候補者の中に、権力とマスコミの関係で注目すべき人物が一人いる。 セヌリ党比例代表公認を受けたカン・ヒョサン元朝鮮日報編集局長だ。 何度も問題にされてきたにもかかわらず、言論人の政界進出は絶えることがないが、今回の場合は次元が全く違い、見過ごすわけにはいかない。

 カン元局長は、国家情報院コメント事件の捜査を指揮した当時の検察総長チェ・ドンウク氏を落馬させた当事者だ。 2012年の大統領選挙の中で起きた国家情報院コメント工作事件は、朴槿恵(パククネ)大統領の正統性問題と直結する事案だ。 チェ元総長は国家情報院コメント事件に公職選挙法違反容疑を適用した。 公職選挙法違反容疑が裁判で確定すれば、18代大統領選挙は不正選挙であることが公認され、朴大統領は不正選挙で当選した中途半端な大統領になる危機に直面していた。

 このような状況で朝鮮日報は2013年9月6日に「チェ・ドンウク検察総長に婚外子がいる」とスクープ報道を出しているが、当時の編集局の責任者がカン・ヒョサン編集局長だった。 チェ元総長は婚外子疑惑を否定したが、結局一週間後には辞職し、検察の国家情報院コメント事件捜査はうやむやにされた。 “結果的に”カン元局長は朴槿恵大統領のアキレス腱だった国家情報院コメント事件捜査揉み消しの筆頭貢献者になった。

 当時カン局長が権力の核心層からチェ総長の婚外子関連情報の提供を受けて記事を書いたのかどうかは確認されていない。 しかし検察が国家情報院コメント事件に公職選挙法違反容疑の適用を決めた2013年6月頃に、チョ・オヨン大統領府行政官がチェ総長の婚外子関連情報を問い合わせていたという事実が、今年1月の控訴審で確認された。 大統領府や国家情報院など権力の核心が、国家情報院コメント事件捜査を妨害する目的でチェ総長の婚外子情報を収集し、朝鮮日報がこれをスクープ報道したことにより、結局、権力の核心は初期の成果を上げたことになる。

 当時の前後の情況を再整理すれば、朝鮮日報は朴大統領の最大の悩みの種だった、国家情報院コメント事件の捜査を指揮したチェ総長を一気に整理させる役割を果たし、セヌリ党はその役割を総指揮した人に報いるため、比例代表国会議員の席を与えた形になる。 特定の懸案に対してマスコミが権力の後始末をし、権力はその見返りとして、後に有力な席を用意して報いるという悪しき先例を残した。 今までは一部の権力指向的な言論人の政界進出が一般的であり、こうした特定懸案と直接関連した人が政界に直行するケースはなかった。

 権力がこれを通じて伝えようとするメッセージは明らかだ。 権力に忠誠を尽くす言論人には、きちんと報いるということだ。 こういう現象が普遍化すれば、報道の権力監視機能は鈍らざるをえない。報道が監視犬の役割を果たせなければ相互牽制と均衡を基に発展する民主主義も後退が避けられない。 少なからぬ言論人が権力とマスコミのこうした異常な関係を自然のこととして受け入れているのかもしれない。 このような状況では韓国の政治発展も期待し難い。 そのような兆しはすでに私たちの目の前に現実として現れている。

 朝鮮日報はチェ・ドンウク婚外子報道で2014年の韓国新聞賞を受賞した。 「権力者の脱線した私生活」を勇気をもって報道したというのが受賞の理由であった。 当時“勇気”をもって記事を書いた朝鮮日報の記者たちは、カン元局長の政界進出をどう思っているだろうか。 自称「1等新聞」の編集局長を務めたのなら、権力とマスコミの癒着疑惑に火が点くことが明白なこのような選択は避けるべきではないだろうか。 今回のことは朝鮮日報のみならず報道全般に対する国民の不信と冷笑を買っただけだ。

 カン元局長の比例代表順位は当選安全圏の16番だ。 よほどの異変がない限り20代国会で国会議員として活動することになるだろう。 カン元局長はあるメディアに「比例代表には職能代表としての性格があるだけに、言論界のために国会で仕事をすることも意味があると考えて(比例代表を)志願することにした」と話した。 その言葉通り、本当に言論界のための国会活動に忠実であることを願うだけだ。

チョン・ソック編集人 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-28 20:09
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/737217.html 訳J.S(1896字)

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