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[社説]高校教科書にまで至った独島、慰安婦問題の挑発

登録:2016-03-19 07:02 修正:2016-03-19 07:38
日本文部科学省の検定で通過が確定した高校教科書//ハンギョレ新聞社

 日本政府が18日、独島(ドクト)の領有権主張を強化して過去の歴史を歪曲する内容の高校1・2年生の教科書の検定結果を発表した。歴史の真実に目をつむり、隣国との関係も念頭に置かない厚かましい有り様だ。日本政府の是正を促したい。

 今回の検定は徹底して日本の右翼勢力の見解を反映している。これに伴って高校の社会科の教科書35種類の77%にあたる27種類に「竹島(独島の日本式表記)は日本固有の領土」、「韓国が不法占拠している」等の表現が盛り込まれた。日本の従軍慰安婦に関する部分は本質をぼかすようになったし、関東大地震と三一運動の時の朝鮮人虐殺の規模も曖昧に処理された。戦後賠償についても「各国と条約で解決され、個人に対する賠償には応じられない」という内容が加えられた。

 日本政府は2015年と2014年に中学校と小学校の教科書についても同様の検定結果を発表したことがある。今や日本のすべての生徒が誤った独島の領有権の主張とねじれた歴史観を教室で習うことになったのだ。これは安倍晋三政権に代弁される日本の右翼勢力が執拗に押しつけた結果である。第一次政権時の2006年に教育基本法を初めて改正した安倍首相は、2012年末に第二次政権を樹立して、教科書の検定基準と学習指導要領の解説書を右翼勢力の気にそうように相次いで変えるなど、教科書「改悪」を主導してきた。このような企みを一段落させたのが今回の教科書検定だ。

 教科書問題がこれほどの事態に至ったのは我が韓国政府のミスもある。特に朴槿恵(パククネ)政権と李明博(イミョンバク)政権は、一貫した原則に従って毅然と行動するより、上げたり下げたりした対応で事態を悪化させた。慰安婦問題に関連して日本に免罪符を与えたような「12・28合意」がまさにそれである。李明博・前大統領の2012年8月の電撃的な独島訪問も日本側を刺激するだけの結果に終わった。朴槿恵政権が一方的に押し進めた韓国史の教科書の国定化も、我が国政府の教科書問題に対する発言権に否定的な影響を与えるほかはない。

 日本の右翼勢力は水に流せない罪をアジア各国にこれまで犯してきた。彼らは今また自分たちの世界観を若い生徒たちに注め込もうとしている。このような試みは韓日関係はもちろん、世界史の流れにも逆行するものだ。安倍政権は今からでも歴史を直視することを望みたい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

登録:2016/03/18 18:53(1103字)

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/735708.html 訳T.W

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