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安倍首相の思惑通り…高校生が「独島は日本の領土」と習うことに

登録:2016-03-18 23:02 修正:2016-03-19 07:29
高校社会教科書、検定通過 
35種のうち27種に記述 
日本の文部科学省による検定を通過した高校教科書に載せられた地図で、独島が日本領土に区分されている=東京/連合ニュース

小中校に続き歴史わい曲の“完結版” 
「慰安婦」は強制性をぼかす

 来年から日本の高校生が「独島(トクト)は日本の固有領土だ。韓国が不法占拠している」との内容を含む教科書で勉強することになった。日本政府は2014年に小学校、2015年には中学校教科書にこう記述された教科書を検定通過させたが、今年の高校用教科書検定で教科書右傾化に向けた安倍政権の政策が一段落することになった。

 日本の文部科学省は18日、教科用図書検定調査審議会を開き、来年から高校1~2年生が習うことになる教科書に対する検定結果を確定して発表した。

 独島に関連する記述は、今回検定を申し込んだ35種の歴史、社会、地理など社会科科目のうち27種(77.1%)に含まれた。 すべての教科書に「独島が日本の固有領土」という表現が含まれたわけではないが、生徒たちは歴史、社会、地理の教科をそれぞれ異なる出版社の教科書を取り換えながら習うので、事実上、日本のすべての高校生が「独島は日本の領土」と書かれた教科書で勉強することになった。 これに較べて2012年に検定を通過した教科書では、39種のうち半分程度の21種(53.8%)に関連記述が含まれていた。

 日本の教科書に独島関連記述が含まれたのは、安倍晋三首相の就任後、2014年1月に学習指導要領解説書を改定し「固有の領土である北方領土(千島列島南端の4島)、独島に関し未解決の問題が残っていることを理解させる」などの内容を含ませたためだ。 日本政府はそれまではロシアとの間に領土問題がある北方領土だけを教科書に記述することにしてきたが、2012年8月の李明博(イミョンバク)前大統領の独島訪問を契機に独島も含めるよう記述方針を変えた。

 日本軍「慰安婦」や朝鮮人強制動員問題に対する記述は削除されていないが、多くの教科書で不十分な水準に留まった。 4年前には「慰安婦として連れて行かれた」(東京書籍)、「慰安婦施設で仕事をするよう強要された女性」(山川出版)など慰安婦制度の強制性を明確に認識できる表現が使われていたが、今年は「慰安婦として前線に送られた女性たちもいた」(東京書籍)のように日本政府の責任と慰安婦制度の強制性を曖昧にする表現に大きく変えられた。 実教出版など一部の進歩的出版社の教科書では、他の出版社に較べて慰安婦に関する記述が相当部分残った。

 韓国政府は外交部のチョ・ジュンヒョク報道官名義の声明を通じて「韓国固有の領土である独島に対する不当な主張を含めて歪曲された歴史観を盛り込んだ高等学校教科書を再び検定通過させたことに対し強く慨嘆し、即刻是正を要求する」と明らかにした。 しかし、日本軍「慰安婦」問題と関連した教科書叙述に対してはいかなる反応も明らかにしなかった。 この日午後、韓国外交部のチョン・ビョンウォン東北アジア局長は、駐韓日本大使館の鈴木秀生・総括公使をソウル世宗路の外交部庁舎に呼んで抗議した。

東京/キル・ユンヒョン特派員、キム・ジンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/735715.html 韓国語原文入力:2016-03-18 19:13
訳J.S(1479字)

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