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日本の歴史教科書で「竹島は島根県の管轄」と明記...「強制併合は義兵が原因」と歪曲

登録:2016-03-19 00:52 修正:2016-03-19 07:27
来年から使われる高校教科書で
18日午前、ソウル鍾路区明倫洞にある「アジア平和と歴史教育連帯」の会議室で開かれた「日本の高校歴史歪曲教科書の検定通過」に対する記者会見で、アジア平和と歴史教育連帯のソ・ジュンソク常任共同代表(左から2番目)が冒頭発言を行っている。前には現在の日本の高校で使われている歴史・世界史教科書が並べられている/聯合ニュース

 来年から日本の高校1〜2年生が学ぶ検定教科書で、独島(日本名・竹島)を日本の行政単位と表現し、日帝(日本帝国主義)の強制併合は義兵運動のためと記述されることが分かった。安倍政権が検定基準を変更し、このような歴史叙述を求めることで、韓日の間に不必要な軋轢を引き起こしていると批判する声があがっている。

 「アジア平和と歴史教育連帯」(以下、アジア歴史連帯)は18日午前、ソウル鍾路区の事務所で記者会見を開き、18日の日本の文部科学省による検定の通過が確定した高校教科書42種の分析結果を発表した。延世大学歴史文化学科のワン・ヒョンジョン教授など、アジア歴史連帯で活動する教授7人が分析を行った。

 分析結果、安倍政権が2014年1月に改訂し、今回初めて適用された中高校用「学習指導要領解説書」に合わせ、日本の独島領有権の主張を強化した記述が大幅に増えたことが分かった。以前の教科書よりも独島関連の記述が、ページ割り当てを基準に多いものでは4倍以上増えたが、特にすべての「地図」の教科書で独島を島根県管轄と表記し、「竹島(隠岐の島町)」と呼ばれる行政名称を使用している。

安倍政権発足後3年間で小中高の教科書に 
誤った領土観、歴史認識の記述が完了 

独島、地方行政単位に既成事実化 
関連記述も最大4倍以上増加し 

1909年7月、すでに韓日併合決定したにもかかわらず 
安重根の暗殺を併合理由として記述

 韓国(大韓帝国)の義兵運動などが日本の強制併合原因であるかのように記述したのも問題と指摘されている。東京書籍や第一学習など、ほとんどの『日本史A・B』と『世界史』教科書は、「高宗皇帝のハーグ密使事件と安重根の伊藤博文殺害事件、義兵運動に対応して、日本の韓国併合が行われた」というふうに記述したことが分かった。実際には、安重根事件(1909年10月26日)以前の1909年7月6日、すでに併合が決定された状態だった。アジアの歴史連帯は「日本が武力を前面に出して韓国を植民地にしようという目的を持っていたのではなく、韓国の対応が原因で、やむを得ず植民地にせざるを得なかったという論調で記述した」と指摘し「日本の強制併合の過程を一部歪曲して記述した」と話した。

 その他に日本政府は、三一運動当時、「朝鮮総督府が軍隊を動員して運動を厳しく鎮圧し、7500人の死傷者が出た」(実教出版『日本史A』)、関東大震災当時、「警察と自警団が6000人以上の朝鮮人を殺害した」という記述を、「通説的見解がない」との理由で「多くの朝鮮人が殺された」というふうに改めさせた。結局、出版社側は、三一運動当時の犠牲者の数をめぐる所説を脚注に併記する妥協を余儀なくされた。

 アジア歴史連帯は「安倍政権の教育政策は、教科書検定基準の変更と学習指導要領解説書を修正し、ほぼすべての教科書が政府公式の立場に沿って記述するようにした」とした上で、「これはアジア諸国と関連する近現代史を取り上げる際、国際的な理解と協調の見地から必要な配慮をするという1982年の『近隣諸国条項』にも反する」と批判した。

 アジア歴史連帯のアン・ビョンウ常任共同代表(韓神大学教授)は、「近いうちにシンポジウムを開催し、より細かい分析を行う予定であり、日本社会に教科書の改善を要求する作業を多方面から展開していく」と明らかにした。アジア歴史連帯は韓中日3カ国の市民社会が一緒に作る第三回目の歴史共同教材作業を今年中に開始し、3カ国の政府に提出する歴史教科書執筆勧告も作成する計画だ。

チョン・ジョンユン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-03-18 19:25

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/735723.html 訳H.J

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