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[社説]韓国の未来を蝕む入試不平等

登録:2016-03-18 09:00 修正:2016-03-18 09:12
ソウル大学合格者のうち特殊目的高校、自立型私立高校、江南3区の一般高校の割合(資料:キム・テニョン議員室「2013~2016学年度ソウル大学合格者の現況」<最終入学者基準>)//ハンギョレ新聞社

 大学入試が親の社会経済的な地位を反映した「不公正なゲーム」に転落したという事実は、すでに常識となって久しい。しかし、これを数値で再確認することは実に不快で絶望的なことだ。「共に民主党」のキム・テニョン議員が進学指導教師協議会元共同代表のキム・ドンチュン氏に依頼して分析した「2013~2016学年度ソウル大学合格者現況」という資料によると、特殊目的高校、自律型私立高校、ソウル江南(カンナム)3区の一般高校の出身を合わせた割合が、3年間で42%から49%に増えた。ソウル大合格者を1人でも出すことができた高校は、全国1799校(2015年基準)のうち824校(2016学年度)に止まった。

 朴槿恵(パククネ)政権になり、教科成績に限らず高校教育の全過程を選ぶように評価するとの趣旨で、学生簿総合選考が拡散した。しかし、実際の効果は正反対に表われた。サークル・ボランティア、自己紹介書、面接などの定性的な要素が大学入試の重要な評価対象になったことで、より多くの親の支援と私教育が必要になった。不公正なゲームはむしろ深刻化してしまったのだ。先行学習で教科学習を事前に終わらせておかないと、非教科入試の要素を準備する機会さえないというのが教育現場の訴えだ。

 結局、どんな入試制度を採択してみたところで、それに合わせて最もよく準備できる能力を備えた特定集団に有利になることが問題の本質だ。政府と大学が彼らに有利になるよう入試政策を巧みに導いているという不信感まで広がっている。ソウル大学が入試で特定高校を優遇するという噂が、その端的な例だ。こうしたやり方でエリート校とそうでない高校が分けられてしまえば、入試の健康性は取り戻しようがなくなる。

 教育が社会的移動性を高める機会の土壌になるためには、「競争種目の変化」だけでは限界がある。画期的なパラダイムの変化が必要だ。この点からソウル大が2005年に地域均衡選抜選考を導入し、地域・階層別に入学生の多様性を高めた経験を振り返ってみる必要がある。当時、画期的に増えた郡地域出身の随時試験合格者の割合が11年間で半減したという。当時の問題意識に立ち戻り、様々な境遇の生徒たちに均等な機会を提供する入試制度を導入すべきであろう。劣悪な環境であっても最善を尽くして成果を出した生徒が、より大きなチャンスを得ることができない社会は、すでに将来の希望もエネルギーも喪失した死んだ社会だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-17 18:39

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/735476.html 訳Y.B

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