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[社説]飛翔なきまま落ちる韓国若年層の生涯

登録:2016-03-09 06:48 修正:2016-03-17 06:43

 韓国銀行が集計した昨年の我が国(韓国)の実質経済成長率の速報値は2.6%であった。物価の上昇分を引かずに計算した経常成長率は5%ほどと企画財政部は推算した。ところが統計庁が8700世帯をサンプルに調べた2015年の家計の動向資料によると、2人以上の世帯の月平均家計所得は経常成長率をはるかに下回る1.6%しか増えていなかった。特に主たる所帯者が20歳以上39歳以下である世帯の月平均経常所得は、前年よりむしろ0.33%減ったことが分かった。この統計は私たちの経済が処した構造的な問題をよく示している。

20~30代世帯の所得・支出の増加率//ハンギョレ新聞社

 20~39歳が主たる所得家庭の所得が減少したのは、勤労所得の減少が最大の理由である。勤労所得は0.75%も減少しているのだ。主たる所得者が勤労者の家庭に限って見ると、勤労所得は1.29%も減少している。この世代の雇用率は昨年小幅ながら上昇した。そのため、失業が拡大したからというよりは、仕事での待遇が悪くなったためにこのような結果になったと見るべきだろう。

 20~39歳が勤労者の世帯の勤労所得の不振は2014年から目立っている。これらの世代の世帯の平均勤労所得は2013年は前年より6.7%増えた。ところが2014年には増加率が0.78%に大きく落ち込んだ。昨年にはもとより減少に転換した。政府は2013年の雇用率70%を目標に掲げ、雇用率を高める政策を進めて、就業者の増加分の大部分は時給制の仕事で補われた時と時期が重なる。

 韓国の時給制の仕事は待遇は非常に悪いが、さらにますます悪くなってきている。2004年に53万9000ウォン(約5万円)だった月平均賃金は、10年たった2014年もほとんど変わらない66万2000ウォン(約6万2千円)に留まっている。賃金労働者全体の月平均賃金に比べると2004年は35%程度だったが、現在は30%のレベルに落ち込んでいる。時給制の仕事は女性や30歳以下の若年層で急激に増えている。

 我々の経済は家計所得の増加が経済成長率を下回り、家計所得の不振が消費不振を生む悪循環に陥っている。特に若年層の仕事の待遇悪化は若者の貧困を増やし、世代間のあつれきを育てる素地になりやすい。昨年の20~39歳の世帯の所得が減ったという統計値は、雇用の数も増やさなければならないが、その待遇改善がないと私たちの経済の将来はより一層暗くなることを警告している。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016/03/08 20:23 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/733933.html 訳T.W

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