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財布の紐締める韓国消費者、家計所得増加率0%台に

登録:2015-11-21 00:43 修正:2015-11-21 09:41

足踏み状態の家計所得 

第3四半期0.7%増加... 過去6年間で最低 
物価上昇分を考慮すると増加率 “0” 
雇用不振の中、時間制労働者の急増が影響 

消費心理萎縮し支出0.5%減少 
月極め家賃が多くなり住居費24%も急増

 家計所得の増加率が足踏みを続けている。所得が増えないため、財布を開かず、その結果、消費が活性化していない。

家計所得の増加率と平均消費性向の推移(単位:%、資料:統計庁)。上のグラフは家計平均消費性向、下のグラフは実質家計所得の増加率//ハンギョレ新聞社

 統計庁が20日に発表した「2015年第3四半期の家計動向」によると、今年第3四半期(7~9月)における世帯当たりの月平均所得は441万6000ウォン(約46万9000円)で、昨年の同じ期間より0.7%(名目ベース)の増加にとどまった。世界的な金融危機の余波が残っていた2009年の第3四半期(-0.8%)以来、6年ぶりに最も低い。家計所得の増加率は、昨年第4四半期の2.4%、今年第1四半期2.6%、第2四半期2.9%で上昇を続けたが、第3四半期に入って0%台に落ち込んだ。特に物価上昇率を考慮した実質所得の伸び率は0%だった。所得が全く増えていないのだ。

 家計所得で最も大きな割合を占める勤労所得は0.1%の増加にとどまった。企画財政部は「雇用の増加が停滞して、時間制労働者が増えたのが勤労所得増加を鈍化させたようだ」と説明した。実際に就業者数の増加幅は昨年第3四半期52万人、第4四半期42万人で、今年1〜3月期には30万人台にとどまった。賃金が少ない時間制労働者は昨年の148万人から今年204万人まで増えた。

 事業所得は今年第3四半期に1.6%減少し、昨年第4四半期(-3.4%)から4四半期連続で減少を続けている。零細自営業者などの個人事業者の事情が悪くているからだ。

 所得が横ばいを続けたことで、家計は支出を減らした。今年第3四半期における世帯当たり月平均支出額は339万7000ウォン(約36万9000円)で、昨年の同期間より0.5%減少した。家計支出が減ったのは、2013年第1四半期(-0.4%)以来2年6カ月ぶりのことだ。キム・ボギョン統計庁福祉統計課長は「第3四半期には、MERS(マーズ)の影響が一部で残っており、消費者が10月から開催された『コリア・ブラックフライデー』に商品を購入するため、消費を留保したことも影響を及ぼしたようだ」と述べた。

 景気減速で消費心理が萎縮した中で、高齢化まで重なり、家計の消費性向(所得のうち消費に支出した費用)が下落傾向を続けている。家計の第3四半期の平均消費性向は71.5%で、昨年の同じ期間より1.0%ポイント低下した。これは、消費性向の統計を発表し始めた2003年の第1四半期以降、12年ぶりの最低水準だ。キム・ボギョン課長は「平均消費性向が低下しているのには、高齢化の影響が大きい。引退以降に備えて貯蓄を増やして消費を減らす傾向が続いている」と説明した。

 家計の全体的な支出が減っている中、住宅のコストは大幅に増加した。今年第3四半期世帯当たり月平均住宅・水道・光熱費は24万1000ウォン(2万6000円)だった。原油価格の下落に住宅燃料費が4.6%減少したが、月払い家賃の世帯が増えたことで、住居費が23.5%も上昇した。傳貰(<チョンセ>保証金による貸し切り住宅)と月払いの家賃取引のうち、家賃の割合が昨年第3四半期40.3%から今年第3四半期45.6%で大きくなったことも影響を及ぼした。また、たばこ価格の引き上げで酒類やタバコに対する支出は昨年より23%増加した。

 政府は補正予算の執行と消費促進対策などの影響が本格的に現れる4四半期から消費が拡大するという見通しを示している。キム・ジンミョン企画財政部政策企画課長は「今年第4四半期には消費心理が継続的に改善されている中で、政府が推進した消費促進対策の影響で家計支出も増えるだろう」と明らかにした。

世宗/キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-11-20 19:43

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/718422.html 訳H.J

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