登録 : 2016.01.07 23:03 修正 : 2016.01.09 10:25

 マスコミ報道を見ると、 朴槿恵(パク・クネ)大統領はいわゆる4大部門の構造改革、24の核心課題に対して大変な自負心と愛着を持っているようだ。「本当に我が子のように思えるほどに大切な政策」と言った。 特に「労働改革は青年たちの生存がかかっている問題だ」とも言った。自分なりに心血を注いで作った政策という意味のようだが、なぜかその言葉に鳥肌が立つ。荒唐無稽で誇張されたその言葉は単なる口癖ではなく、その後ろに朴大統領の無知と偏見、我執、そして無謀な自己合理化と自画自賛が隠れているのを今までしばしば見てきたからだ。

 朴大統領は大統領選挙の時、自分は実践できないことは絶対約束しないと言い、すべての約束につき財政的に実行可能かどうかを一つ一つ詰めて計算し検討したと全国民に公言した。 しかし、経済民主化は手も着けずに投げ捨ててしまったし、セウォル号の約束は大統領の涙が乾きもしないうちから裏で瓦解工作が始まった。 大学の半額授業料は見かけだけの半額で終わったし、「(苦痛を感じない程度に)羽を引き抜く」ような庶民増税とたばこ値上げとで、「増税なき福祉」は「福祉なき増税」に化けてしまった。無償給食、無償保育、老人年金、4大重症疾患、幸せ住宅、幸せ借家も、大半は変質するか有耶無耶にされてしまった。 まさに言葉を覆す名人だ。

 ところで朴大統領自身は、約束を守れなかったことをあまり気に止めないようである。 約束を守れなかった事に対する済まない思い、あるいは言葉をひっくり返したことに対する羞恥心を感じることができないのか、あるいは本当に自分は約束をすべて守ったと考えているのか、でなければ、約束を守れなかったのは愚昧な臣下と無知蒙昧な民のせいであって自分のせいではないと考えているのか、それとも善悪そのものに対する判断力がないのか。 理由は知りようがないけれど、その中で朴大統領の意中に残って盲目的に推進されているのは偏見と無知に満ちた歪んだ政策ばかりだ。 過ちに対する羞恥心を感じる事ができないから、誤った政策に対する歪んだ信念は一層強力だ。 それらが私たちの経済を台無しにしている。

 「労働改悪」がどうして青年たちのための改革だと言うのか。 非正社員と自営業者を量産する政策がどうして雇用対策だと言えるのか。 財閥のための無分別な規制緩和がどうして創造経済なのか。 借金して家を買う政策がどうして中流層・庶民層の住居対策なのか。 不動産投機助長がどうして景気浮揚手段になり得るというのか。

 大企業労働者の3分の1は派遣労働者など非正社員だ。 月給は正社員の3分の2以下なのに仕事はより多くするし危険な仕事も一手に引き受ける。 鶏の値段は下がってもチキンの値段は上がる。 養鶏農家とチキン店は収入が減るのにフランチャイズ本社はもっと儲ける。政府の各種支援は大企業の持分で、中小企業は大企業の横暴に苦しむ。 中小企業労働者の月給が大企業の3分の2にも及ばないのは当然だ。 だから家計所得が減る。 国民所得における家計と自営業者の取り分は1997年のIMF以後10%減少した。 今年の所得基準で150兆ウォン(約15兆円)に当る。家計所得が減るから消費が減り、寿命が延びているから老後に備えて消費はさらに減る。 国内総生産に家計支出の占める比重が韓国では50.9%に過ぎない。 経済協力開発機構(OECD)の平均61.9%に比べて11%低い。 韓国は国民所得における家計の取り分がそれほど小さいのだ。 この先、人口急減に消費急落が重なるのだから、韓国経済は沈滞を脱することができない。

イ・ドンゴル東国大経営学部招聘教授=資料写真//ハンギョレ新聞社

 労働者・自営業者の取り分を奪うことで企業が成長する政策、中小企業の取り分を奪うことで大企業が成長する政策、加盟店主の取り分を奪うことでフランチャイズ本社が成長する政策、こういうものが搾取型成長政策だ。 国民に帰する分を減らして企業を肥えさせる窮乏化成長政策だ。 結局、皆を窮乏化させる悪循環に陥る。 そんな成長が持続可能だろうか。 そんな成長で国民の暮らしがよくなるだろうか。 青年の未来が明るくなろうか。 家計負債問題も爆発する。 その先には破局的終末があるだけだ。朴槿恵政府の政策が韓国経済を殺すと見る理由だ。

イ・ドンゴル東国大経営学部招聘教授(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-12-27 18:49
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/723621.html 訳A.K(1916字)

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