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[社説]安哲秀新党が答えるべき課題

登録:2015-12-22 06:39 修正:2015-12-22 06:41
安哲秀・新政治民主連合元共同代表が13日、国会政論観で離党を宣言をした後、取材陣の質問を受けている=共同取材写真

 安哲秀(アン・チョルス)議員が21日、新党設立を宣言し、来年の旧正月の2月8日までに新党の形を公開すると表明した。安氏は「政権交代を必ずする」と誓う一方で「新政治民主連合との連帯は考えていない」と一線を画した。

 新党に向かって一歩踏み出した安氏の前にはさまざまな難問が横たわっている。今なぜ新しい政党が必要なのか、新しい政党のビジョンと具体的な実践戦略は何か、それは既存の野党といかなる差別性があるのかなどについて満足するだけの答を出さねばならない。これまで安氏に対し最もよくされてきた批判は、抽象的というものだった。「新しい政治」にしても「革新」にしても、名目があるだけで、それを裏付ける具体的な各論がなかったり、あっても現実離れした雲をつかむような方法だと盛んに批判された。その上、各種の政治社会的な争いが心配される懸案が生じた際は、やる気を見せて解決策を提示するより、対岸の火事を見るような態度を見せてきたのも事実だ。またそのような姿を見せられても困る。

 新党が持つ必然的な特徴である“一人政党”の限界をいかに乗り越えるかも関心事だ。傍目の立場から言えば、新党はまだ「安哲秀の、安哲秀による、安哲秀のための政党」にしか見えない。そうした点で党内民主主義を明確に確かめることは新党に絶体的な課題であろう。その上、過去の政治史では、選挙を控えて「創業者」の政治的目標達成のために結党して水の泡のように消えた「泡沫政党」も多い。新党がボス1人のための水の泡の政党ではないという点を有権者に明確に刻印させるべきだ。

 どのみち新しい党を作るのなら、我々韓国の政治の持病である地域主義の清算をリードする政党になるべきだ。野党の票田とされる湖南(全羅道)地域で新政治民主連合といがみ争うレベルにとどまっていては新党設立の意味はあまりない。セヌリ党の牙城である嶺南(慶尚道)地域をいかにして攻略するか、そして凝り固まった地域主義政治の壁を崩すためにどのように寄与するかなどについて青写真を出すことを望む。新党に参加する人々の面々も同じだ。既存政党で公認に落ちた人など古い人物をかき集めては新党創党の意味は半減するほかない。社会の随所に潜んでいる斬新で能力のある人物をどれほど発掘するかが新党成功の可否を決める根幹になるだろう。

 安氏の新党は本質的に野党圏分裂というジレンマを抱いて出発している。安氏は同日「政権交替」の意思を明らかにすることによって新党を野党として明確に位置づけたが、目の前にある現実は正反対に進んでいる。さしあたって総選挙で野党圏の分裂によって野党が惨敗することになれば、大統領選挙の勝利と政権交替の夢はいっそう遠ざかるしかない。このようなジレンマに対する野党支持者の問いかけに答えることも安氏の避けられない課題である。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/12/21 18:35

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/722809.html 訳T.W

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