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[社説]“権力型不正”でまた取り調べられた李前大統領実兄

登録:2015-10-06 07:37 修正:2015-10-11 15:59
今年1月、イ・サンドク元セヌリ党議員が貯蓄銀行から金品を受け取った疑いで最高検察庁が逮捕状の発給を受け捜査に乗り出している=ソウル/ニューシス

 元議員のイ・サンドク氏が側近の協力業者を通じてポスコから数十億ウォンの金品を受けた疑惑で5日、検察に呼ばれて取り調べられた。貯蓄銀行の不正事件で懲役1年2カ月の刑を満期終了して2年余りで再び不正疑惑で刑事処罰を迎えることになったのだ。李明博(イ・ミョンバク)前大統領の実兄であるイ氏は“万事が兄通”とまで言われるほどあらゆる事に大きな影響力を行使したという。その過程で不法と不正は多かったろう。その一つが今ごろになって発覚しているのだから、不正の全貌はいつになれば明らかにできるのかという思いさえする。

 イ氏は検察に出席して「今私がなぜここにこなければならないのか理由が分からない」と語ったが、そんな知らぬ振りでやり過ごせるものではない。検察によれば、イ氏は20年以上にわたって慶尚北道浦項(ポハン)の地元選挙区の事務所運営を受け持ってきたパク氏を立て2009年にポスコの協力業者TMテックを買収させた。鉄鋼業に門外漢であるパク氏の会社は新参会社なのにすぐにポスコの子会社の仕事を請けて年間170億~180億ウォンの売り上げをあげた。チョン・ジュンヤン氏がさまざまな疑惑の果てにポスコの会長になったのもその頃だ。検察はポスコの懸案だった新製鋼工場の建設が実現されるようにイ氏が影響力を行使した代価として、ポスコがTMテックなどイ氏関連の三つの協力業者に仕事を集中させ、その結果側近のパク氏らは配当などで集めた20億ウォン前後がイ氏サイドに流れたと見られている。事実ならば違法な政治資金で終わるだけでなく贈収賄に該当する。このような手段で金を着服したものが他にもなかったのか気になる。

 「協力業者に仕事を集中すること」を通じてポスコから利権と金品を与えられた者はイ氏だけではないという。李前大統領の出身地である浦項と迎日(ヨンイル)を地盤としている政官界の有力者を称する、いわゆる“ヨンポ・ライン”の要人多数がこのように濡れ手にアワのように一儲けした疑惑で検察の捜査線上に上がったと伝えられた。検察は国会の副議長を務めたセヌリ党のイ・ビョンソク議員も側近が所有する協力業者を通じて同じ方式で金を受け取っていたと見てイ氏に続いて召還する方針という。政権の実力者たちと企業間の醜いつながりの一端が表れているというものだ。

 検察は疑惑の糾明と不正の処罰にわずかなためらいもあってはならない。いいかげんな追求の手では古びた不正を根絶するどころかいっそうのさばらすばかりである。そのような例は一つや二つでないのだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/10/05 18:39

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/711444.html 訳T.W

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