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李明博前大統領実兄のイ・サンドク元議員、ポスコ疑獄を否定

登録:2015-10-06 00:04 修正:2015-10-06 07:30
2度目の検察調査で全面否定
イ・サンドク元セヌリ党議員が5日午前、ソウル瑞草洞のソウル中央地検に出頭して、記者たちの相次ぐ質問に顔をしかめている =キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

貯蓄銀行不正に続くポスコ疑惑
秘密資金を問われ「絶対にない」
検察、ポスコ関係者の陳述確保
高齢を理由に不拘束起訴の可能性も

-ポスコ協力業者から秘密資金が流れたという疑惑があるが?

 「そんなことは絶対にありません」

-再び検察の調査を受けることになったが、心境はいかがですか?

 「…」

 李明博(イ・ミョンバク)政権時期「すべてのことは兄を通じてでなければならない」という意味の“万事が兄通”という言葉を流行させた政権の最高実力者イ・サンドク元議員(80、李明博元大統領の実兄)が約3年ぶりに再び検察に召還された。側近を通じてポスコから特典を供与された疑いがある彼は、2012~2013年の収監生活を経てから気力が弱っているようだったが、自身を巡る疑惑に関連してはしっかりと明快な声で否定した。

 5日午前、予定された出頭時刻より20分程遅れた午前10時22分頃、ソウル瑞草(ソチョ)洞のソウル中央地検に出頭したイ元議員は、黒のスーツにノーネクタイ姿で補佐陣の助けを借りて検察庁舎の階段を一歩ずつ上った。 彼は「(ポスコが側近の運営する)協力業者に仕事を発注させることに関与したか?」、「チョン・ジュンヤン前ポスコ会長の選任に影響力を行使したことがあるか?」という記者らの質問に「ない」、「なぜ私がここに来なければならないか、理由も知らない」と否定した。 答えながら微笑を浮かべることもあった彼は、再び検察に呼ばれた心境を尋ねる質問には一切答えず庁舎内に入っていった。

 今年3月、ポスコ不正疑惑捜査を始めたソウル中央地検特捜2部(部長 チョ・サンジュン)は6カ月後の9月、ポスコがイ氏側が所有するTMテックなどの下請業者に「集中発注」を通じて30億ウォン(1円=10ウォン)(約3億円)の不当利益を供与した端緒をつかんだ。 イ元議員はこのような疑惑を否定したが、検察はイ元議員の顔色を見て仕事を与えたというポスコ側関係者の陳述と、それを裏付ける情況証拠をすでに確保したと伝えられた。

 イ元議員が検察の調査を受けるのは今回が2度目だ。 2012年の貯蓄銀行不正捜査の時、イム・ソク ソロモン貯蓄銀行会長から3億ウォン、キム・チャンギョン未来貯蓄銀行会長から3億ウォン、コーロングループから1億5750万ウォンを受け取った疑いで拘束起訴されたことがある。 翌年の1審では容疑が全て認められ懲役2年が宣告されたが、控訴審はキム会長から3億ウォンを受け取った部分を無罪と判断し懲役1年2カ月に追徴金4億5750万ウォンを宣告した。 イ元議員は2013年9月に満期出所した。

 イ元議員が再び拘束されるかどうかは特恵提供の代価性の確認にかかっていると見られる。 ポスコが1兆ウォン以上をかけて推進した新製鋼工場の高度制限問題を円満に解決できるようイ元議員が影響力を行使した代価というのが検察の見解だ。 また、チョン・ジュンヤン前会長(67)が李明博政権の初期にポスコ会長に選任されることを助けたことに対する恩返しではないかとも疑っている。 検察の高位関係者は「イ元議員はポスコ会長選任に関与するほど李明博政権の5年間ポスコに大きな影響力を行使してきた」と話したことがある。 ただし、イ元議員が高齢であることに加え健康状態が良くない点から不拘束起訴になると見る向きもある。 また、前政権に対する現政権の“手入れ”と見ている世論も検察としては負担になるため、不拘束起訴の線で整理する可能性もあるように見える。

チョン・ファンボン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/711477.html 韓国語原文入力:2015-10-05 19:40
訳J.S(1714字)

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