登録 : 2015.09.21 22:25 修正 : 2015.09.22 05:48

 発表から10周年を迎える9・19共同声明の内容は、今読み返して見ても素晴らしい。北朝鮮核問題の解決策だけでなく、「北東アジアの恒久的な平和と安定」のための構想まで盛り込まれている。依然として有効な実践の原則を提示した点も、噛みしめてみる価値がある。関係国すべての同時行動がそれに当たる。

 残念ながら、現実はその通りにはいかなかった。これまで北朝鮮は3回の核実験を行った。さらに北朝鮮は、2012年核保有国であることを憲法に明示した。米国は、長い間、事実上の傍観政策である「戦略的忍耐」を固守している。一定の限界を超えない限り、北朝鮮の核計画を事実上黙認しているようだ。韓国政府は、米国と北朝鮮と間で途方に暮れている。最近示唆したように、北朝鮮は、4回目の核実験のために少しずつ動いている。破局に向かって近づいていく様相だ。

 現在の状況からして、(考えられる)選択肢は大きく分けて三つだ。第一は、今すぐ9・19声明の精神に基づいて交渉を開始することだ。先週、米国議会を通過して発効を控えている“イラン核交渉”の道だ。米国は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権が非核化に全く関心がないため、対話ができないと言う。実際に中道実用主義者であるハッサン・ロウハ二大統領が核交渉を導いたイランと北朝鮮とは、(事情が)違う。しかし、本格的な対話を試みることなく、予断するのは無責任だ。任期が1年半を切ったオバマ政権としては政治的負担を考えざるを得ないだろう。だが、だからこそ、果敢に勝負をかけることもできる。キューバとイランに続き、対北朝鮮関係まで解決に導いたら、オバマ大統領は外交的に錦上華を添えることになる。

 第二は、現状を維持することだ。「非交渉、敵対の道」だ。これは「過去20年以上の経験からして、北朝鮮との核交渉は役に立たない」という判断に相通じる。最終的には北朝鮮崩壊論に依拠せざるを得ない。朴槿恵(パク・クネ)大統領は「北朝鮮の核問題の解決策は統一」という趣旨の発言を重ねてきた。米国の強硬派と同じような考え方だ。ネオコンの一人であるジョン・ボルトン元国連駐在米国大使は、古くから、北朝鮮は絶対に核計画を放棄しないはずだから、「唯一の解決策は朝鮮半島の統一」だと主張した。米国の強硬派にとっては北朝鮮という敵が必要だ。頻繁に繰り返される朝鮮半島の危機は、一定のレベルを超えない限り、米国の覇権維持に有用である。もちろん、その負担は、私たち(韓国)にのしかかる。

 第三は、米国の新政権の発足以降も安定的に推進できる「統合のための解決策」を模索することだ。「ペリープロセス」の道だ。米国のビル・クリントン政権は、1998年に北朝鮮の核・ミサイル問題を解決する方法を模索するために、ウィリアム・ペリー氏を対北朝鮮政策調整官に任命した。彼は国防長官だった1994年、第1次核危機が発生した際、空母を東海(日本海)に派遣し、北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)核施設の爆撃を目指した強硬派だ。しかし、彼が関係国との幅広い接触を経て、1999年10月に作成した報告書は、以後クリントン政権の対北朝鮮政策の骨組みとなった。オバマ政権が信頼できる人を指名して、包括的な対北朝鮮政策を樹立すれば、それ自体で状況悪化を防ぎながら、核問題の解決の可能性を高めることができる。

 最善策は第一の選択肢だ。米国とイランの核交渉も、実際に妥結されるまで、楽観的な見通しを示す人はあまりいなかった。問題は、動力と時期だ。米国が新たな解決策を試みても、北朝鮮が近いうちに核実験を行ったら、動力が消える可能性もある。核問題の解決の意志を明らかにして、すぐに対話を始めなければならない。現実を認めてから、同時行動の原則に基づいて出発することが重要だ。目前に迫った米中首脳会談と来月に予定された韓米首脳会談が重要な契機となる。二組の首脳会談から明確なメッセージを確認できなければ、北朝鮮は新しい核実験の方に傾く可能性が高い。第三の道は第一の道の成否に応じて考えても遅くはない。当時はかなりの進展が見られたペリープロセスは、政権交代と共に力を失ったが、その後も6カ国協議などを通じて、対北交渉の基本的な枠組みとして作用した。

キム・ジソク論説委員//ハンギョレ新聞社
 今、核問題の解決の糸口を見つけなければ、「失われた10年」に少なくとも数年は延長されて、事態がさらに悪化するだろう。その後、振り返ったら、北朝鮮核問題を解決するための努力のない朴槿恵政権の統一ドライブが、いかに空虚なものだったのかに気づかされるだろう。今どの選択肢を選ぶかによって、多くのことが変わってくる。

キム・ジソク論説委員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-21 18:42

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/709755.html訳H.J

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