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[ニュース分析]北朝鮮核など自制要求…韓国の提案受け入れる中国

登録:2015-09-03 00:11 修正:2015-09-03 07:27
韓中首脳で何が論じられたのか
朴槿恵大統領が2日昼、中国北京の人民大会堂で習近平中国国家主席と首脳会談を終えた後、昼食会場に移動しながら話している =北京/イ・ジョンヨン先任記者//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パク・クネ)大統領と習近平国家主席の首脳会談は今回が6回目だが、2日の韓中首脳会談は以前のどの首脳会談より一層注目を集めた。 同盟国である米国の憂慮を押し切って中国の「抗日勝利70周年閲兵式」に米国友好国の首脳としては唯一参加して行われた会談であったため、“決断”に相応しい成果を期待したことは事実だ。 この日大統領府が発表した首脳会談の結果の報道資料によれば、いくつかの点で以前の会談とは異なる表現と合意が目につく。 中国が一定程度韓国の要求を受け入れる姿勢を見せたものと分析される。 だが、南北関係と北朝鮮核問題などでは本質的な変化を見つけ難いという評価も出ている。

■北朝鮮核問題は期待半ば物足りなさ半ば

 北朝鮮の核問題など、朝鮮島情勢と関連して北朝鮮の10月10日のロケット発射に対する自制要求と見られる項目が含まれた。 報道資料は「両国は9・19共同声明と国連安保理関連決議が忠実に履行されるべきことを強調し、これと関連して緊張を高めさせるいかなる行動にも反対するという立場を表明した」と明らかにした。 キム・チャンス・コリア研究院長は「脈絡上、北朝鮮に対して核実験やロケット発射をするなという要求と解説される」と述べた。また、朴槿恵政権の対北朝鮮政策である「朝鮮半島信頼プロセス」に関しても、「この度の(南北間の8・25)合意が、具体的行動で履行され朝鮮半島信頼プロセスが加速化することを希望した」と積極的な支持意思を明らかにした。 6カ国協議と関連しては「意味ある6カ国協議が早く再開されなければならない」と明らかにした。 昨年7月の首脳会談で「意味ある対話を通じて朝鮮半島非核化の実質的な進展を成し遂げるため努力」と言ったことと語感の差はあるが、意味ある進展とは見難い。

北朝鮮の核問題など、以前と“語感”の差
意味のある進展ではないという評価も
「朝鮮半島統一問題で深みのある議論」と
韓国側発表、中国発表文にはなし

 注目される点は、朝鮮半島の統一と関連した議論だ。 韓国は「早急な平和的に統一されること」を強調した反面、中国は「将来、平和的に統一されること」を支持した。 報道資料は特に「両国首脳間に朝鮮半島統一問題に関して深い議論があった」と明記した。 中国側の発表文にはない内容だ。 「早急な統一」等の用語に照らして、朴大統領が北朝鮮の不安定化の可能性などを提起して、対備の必要性を説明したのではないかとの分析が出ている。 前出キム院長は「北朝鮮の不安定状況に対する情報を朴大統領が説明し、これに対して習近平主席は『自主的・平和的統一支持』という既存の立場を繰り返したものと見られる」と述べた。 中国は昨年7月の首脳会談の時も吸収統一議論に対する北朝鮮の反発を考慮して、朴大統領の“ドレスデン宣言”に対する支持表明を留保したことがある。

■韓中日首脳会議、中国は消極的立場に変化?

 韓国が推進してきた韓中日首脳会議の再開に中国が合意したことは最も注目すべき点だ。 両国は今年10月末か11月初めの相互に都合の良い時期に韓国で韓中日3国首脳会議を開催しようということで意見を共にした。 これまで中国は日本との領土・歴史問題を理由に3国首脳会議への参加を拒否してきた。 こうした立場を変えて、今年議長国である韓国が主導する年内開催の会議に参加することにしたわけだ。 韓国にとっては、韓中日首脳会議がガチガチに梗塞した韓日関係を解いていく契機という意味を持つ。 朴大統領は慰安婦問題を挙げて日本との首脳会談を拒否してきたが、その過程で韓日関係を回復せよとの米国の持続的圧迫を受けてきた。 また、中国と日本が葛藤の中でも二度にわたり二者首脳会談を開くなど関係正常化を模索しており、韓国だけが東アジア外交で孤立しかねないという憂慮が提起されてきた。 韓中日3国首脳会議を開けば、朴大統領が別途に独立した韓日二者首脳会談は開かないという名分を守りながらも、日本とも正常対話に臨む形式の首脳外交が可能になる。 韓中日3国協力を韓国が主導する姿も演出できる。

 ただし、韓中日首脳会議開催の合意は中国側発表文には入っていないので、中国がこの問題に消極的に応じたという観測が出ている。 キム・ジェチョル・カトリック大教授は「結局、中国はまだ早急に行いたい考えはないと見なければならない」として「とにかくこのように発表したことから見て、韓国が中国をプッシュしているようだ」と話した。

ソン・ウォンジェ、キム・ウェヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/707203.html 韓国語原文入力:2015-09-02 21:25
訳J.S(2130字)

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