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[社説] 米日の“新蜜月’を警戒する

登録:2015-05-01 08:51 修正:2015-05-01 10:02
米国訪問中の安倍晋三首相が28日、ホワイトハウスで開かれた歓迎晩餐でバラク・オバマ米大統領と乾杯している=ワシントン/ロイター聯合ニュース

 米国と日本の関係が新たな蜜月時代を迎えている。29日(米国時間)まで3日間続いた外交・国防長官会談、首脳会談、安倍晋三日本首相の米上下両院合同演説は、米日同盟の強化を確認する舞台となった。東アジアはもちろん世界の情勢に相当な影響を及ぼす変化だ。分断国として超大国の間に位置した我が国(韓国)では、肯定的な側面より否定的な問題が先に起きる。私たちの外交と国家進路に対する総合的な点検が必要な状況にある。

 まず、東アジアの国々に大きな苦痛を与えた日本帝国主義の過去の問題が薄められている。安倍首相は29日の演説で「私たち(日本)は戦争(第2次大戦)に対する深い反省の気持ちから戦後を始めた。私たちの行為がアジアの国の国民に苦痛を与えた」と短く言及するに止まった。韓日間の最大懸案となる軍隊慰安婦問題に対する解決策を提示するどころか、侵略と植民支配に対する謝罪や反省もなかった。これは「歴代首相によって表現された観点を継承する」とした彼の話を色褪せたものにしてしまう。安倍首相の歴史歪曲は「戦後のアジアの国々の成長は日本の支援による」と強調したことからもよく表れる。日本のこうした態度は、反歴史的で厚かましいほどだ。安倍首相の演説内容を肯定的に評価した米国政府も問題だ。米国は日本との同盟強化に埋没し、歴史の定義を破っているという批判は避け難い。

 安倍首相は米国とアジアの国々を徹底して分ける二重的な姿勢を示した。彼は米国に関連した過去の歴史に対しては「深い後悔」と「深い反省」で謝り、「日本の集団自衛権行使が可能にさせるため今年夏までに安保関連法案を必ず整備するだろう」と約束した。こうした形の米日同盟強化は、日本の軍事大国化と平和憲法の廃棄をもたらし、アジアで対決構図を深化させることは明らかだ。両国は同盟強化の主な目的が対中国牽制にあることを隠そうとしない。「太平洋からインド洋までの広い海を法の支配が貫徹する平和な海としなければならない」という安倍首相の話は、これらの海域、特に南シナ海で葛藤が大きくなることを予告する。

 米日の新蜜月は、北朝鮮核問題をはじめとする朝鮮半島関連事案を解決させるのに否定的な影響を与える可能性が高い。米国が日本との軍事協力強化に重点を置くほど、核問題を対話で解決させようとする動力は弱まりやすいためだ。その上、米国は北朝鮮の脅威を口実に韓米日三国軍事協力のレベルを高めようとする。韓米および米日の軍事一体化を超え、韓米日軍事一体化を成し遂げるのが米国の意図だ。韓米日統合ミサイル防御体制の構築と日本自衛隊の韓国領海での活動などがその核心内容だ。こうした動きは朝鮮半島関連事案の解決を難しくし、我が国が主導力を発揮できる余地を狭めるだろう。

 米日の新蜜月は我が国に新たな戦略と決断を要求する。最善の選択は、日本に歴史認識問題の解決を誘導し、北朝鮮の核など朝鮮半島関連事案を進展させ、東アジアの平和・協力構図を作っていくことだ。これは米国と日本の動きにそのまま足並みを揃えていては決してなされることはない。私たちの目標に見合った主導力を高めることができるか探さなければならない。6月に予定された朴槿恵大統領の訪米にも慎重な再検討が要求される。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-04-30 20:23

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/689233.html 訳Y.B

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