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[社説]保守=原発賛成の図式が壊れた意義大きい

登録:2015-02-16 07:05 修正:2015-02-16 07:16

 釜山(プサン)で10日、進歩(革新)と保守系の市民団体が手を取り合って全市民運動本部を設けて古里(コリ)原子力発電所1号機の閉鎖運動に乗り出した。広域市では初めて釜山市がこれを積極支援することを決めたことは政府の原発およびエネルギー政策に対して重大な意義を持つ。これまで原発施設に関連して地域住民らはさまざまな規模の反対運動や住民投票を行ってきたが、政府は国家政策としてまったく揺るがなかった。原発建設の運動を地域の利益主義としたり、地域開発計画として懐柔したりすることに対向していたのは進歩系の反核運動だった。

 しかし福島原発事故以降、原発の安全と必要性に対する信用があちこちで崩れてきた。古里1号機や月城1号機の古い原発の使用年数を延ばしながらも、安全審査当局は不透明で権威的な手段に固執してきた。古里1号機の周辺30キロに釜山と蔚山(ウルサン)、慶尚南道の住民350万人が暮しているのに、緊急防災態勢はまったく不十分であるばかりか、原発周辺住民の甲状腺癌の発病は韓水原(原発運営団体)の責任という裁判所の判決まで出てきている。ソ・ビョンス釜山市長の「安全なうちに閉鎖することが将来の事故を避ける道」という主張がいっそう説得力をもってきている。

 釜山だけでなくセヌリ党が圧倒的多数である江原道の議会も13日、三陟(サムチョク)原発の建設白紙化を政府に促す建議案を可決した。これらは政府が三陟に原発を作る代わりに再生可能エネルギー産業を進めてほしいと求めているものだ。すでに江原道では昨年の地方選挙で原発反対を掲げた三陟市長が当選するなど「脱原発」の風が激しく吹いている。

 政府はこれまで電力供給に支障をきたすという理由で原発反対の声を無視してきた。しかし最近の国会予算政策処の分析によると政府が経済成長率を非常に高く見込みすぎているうえに、電気料金の引き上げをきちんと考慮していないために、結果的に電力需要を過度に膨らませて予測していることが分かった。このままでは2020年には発電設備の3分の1近くを遊ばせることになる状況である。古い原発の使用年数を延ばして新しい原発を作ることは出来かねるというわけだ。

 原油価格が値下がりしても世界では風力や太陽光熱など再生エネルギー部門は目覚しい成長をしている。太陽電池パネルの生産単価は2009年以降75%も安くなっているし、風力もすでに化石燃料より発電単価が安くなっている。気候変化や安全、長距離の送電にともなう社会対策費のために原子力と化石燃料発電の経費はますます増えているのと対照的である。世界で最も原発が多いアメリカで2013年以降に5機の原発が相次いで操業を終了した事実が示唆するものは大きいのだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/02/15 18:39(1303字)

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/678499.html 訳T.W

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