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韓国原発の使用済み核燃料永久処分施設、遅くとも2055年までに稼働

登録:2014-11-19 09:22 修正:2014-11-19 16:10

公論化委員会が目標時期を初めて提示
敷地選定で地域住民の反発が課題
環境団体「原発拡大政策の廃棄を」

使用済み核燃料の保管水槽(古里原電)。//ハンギョレ新聞社

 原子炉の稼動後にでる放射性廃棄物である燃料棒の処理問題を議論する「使用済み核燃料公論化委員会」(公論化委)が、韓国で永久処分施設を稼動させる目標時期を2055年頃と提示した。使用済み燃料棒の放射能毒性が減る半減期は最大30万年と長く、永久処分施設なしでは原子力発電所の稼動は持続可能でない。

 ホン・ドゥスン公論化委員長は18日、世宗(セジョン)市政府庁舎で記者懇談会を開き、活動開始から1年で整理した「使用済み核燃料管理のための議題」を発表して、今年の末で切れる活動時期を翌年4月まで延長することを要請した。公論化委は昨年10月に産業通商資源部長官が設置した民間諮問機構で、使用済み燃料棒の問題をめぐる公論を取りまとめ政府に勧告案を出すために作られた。

 公論化委が2055年頃を永久処分施設稼動の目標時期にしたのは、重水炉型の月城(ウォルソン)原子力発電所で使用済み燃料棒を保管する乾燥式保存施設の寿命と許可を最大2051年まで遅らせることができる点などを考慮したものだ。月城原子力発電所を除く残りは軽水炉型原子力発電所で、使用済み燃料棒をプールの水槽に保管する湿式保存施設だけを運営している。これらは2016年から1次飽和時期に達するが、同じ敷地内で先に飽和する1号基の廃棄物を、少し余裕のある2号基に移すなどの基間の移動や密集保存施設の設置などで飽和時期を遅らせる計画だ。しかし、2024年以後は結局飽和状況に陥る。

 一部では軽水炉型原子力発電所から出た使用済み燃料棒にはウラニウムが残るので再処理方式で燃料を再利用すれば飽和問題を先送りすることができるなどと主張する。だが、現行の韓米原子力協定下で燃料再処理は禁止されている。これらは永久処分施設が建設される時まで追加の乾燥式保存施設を作って保管するほか特別な解決法はない。さらに、使用済み燃料棒を移動すること自体に危険が伴うのに、施設が作られる地域住民の反発など社会的問題を起こしかねないという問題を抱えている。

 環境運動連合のヤンイ・ウォンヨン事務局長は「公論化委は原子力発電所の比重をこのまま増やし続けるエネルギー基本計画を再検討し、永久処分の安全性と費用の問題、現世代と未来世代の葛藤といった根本的問題を扱うべきだ」としながら「現行機構は産業部長官が設置するなど権限が限られているため産業部の原子力発電所拡大政策を前提としており公論化には限界がある」と話した。

チョン・セラ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.11.18 22:10 

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/665105.html 訳Y.B

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