日本の中央銀行が先週末、日本円の供給量を現在よりさらに増やす追加の「量的緩和」計画を発表した。続いて日本政府も景気低迷を防ぐために財政投入拡大計画を打ち出すという。これに伴う円安の加速化が予想され、韓国経済に及ぼす波紋を心配する声が強い。日本の追加の量的緩和は国内外の金融市場にすぐに影響する要素である。そのために鋭意注視すべき必要はあるが、一喜一憂して対応してはならない。ややもすると金融市場の変動性だけを強め、実体経済の基盤をいっそう弱めかねないためだ。
日本の追加の量的緩和は安倍政権の経済政策を意味する「アベノミクス」の延長だ。‘無制限の金融緩和’などの果敢で攻撃的な財政通貨政策で年間平均潜在成長率を2%に引き上げるというのがアベノミクスの目標だ。2013年から2年間でマネタリーベースをまず二倍に増やす量的緩和を断行した。
しかし、今年末にその期間が終わるが効果は現れていない。2%の成長率達成どころか今年第2四半期からはマイナス成長へと逆に悪化した。この2年間で日本円の価値は20%近く落ちたが輸出の増加効果は微小で、貿易収支が27か月連続の赤字を続けている。国際金融市場ではアベノミクスはすでに限界に直面しているし、追加の量的緩和は‘最後のあがき’という評価も出ている。
アベノミクスに対する根本的な心配は、政策手段の枯渇にある。金利はすでに0%であり、財政破綻の恐れのために政府の支出拡大も思い通りにはできない。景気低迷の局面を抜け出そうとする政策当局のあがきが、かえって沈滞局面を加速化させる矛盾に陥っているのだ。景気浮揚のために中央銀行が紙幣をさらに刷ることはできるが、それも米国など先進国の容認が前提となる。
韓国語原文入力:2014/11/02 18:31