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[社説] 矛盾だらけの日本の集団的自衛権容認

登録:2013-10-29 00:08 修正:2013-10-29 07:46

 キム・ジャンス大統領府国家安保室長が最近米国を訪問してスーザン・ライス ホワイトハウス国家安保補佐官に日本の集団的自衛権行使の際 "韓半島と韓国の主権行使に関連した部分について韓国の同意が必須だ" という意見を伝えたという。政府はこれまで日本の集団的自衛権行使の動きに対して "平和憲法の精神を堅持しながら地域の平和と安定に寄与し、過去の歴史に起因する周辺国の疑問や憂慮を解消する方向で透明性を確保して行われるべきだ" という基本的立場を繰り返してきた。

 このような点に照らしてみれば、キム室長の発言は集団的自衛権に対する政府の態度が、反対から容認する側に事実上変わったということを示している。米・日がすでに集団的自衛権を行使する方向に防衛協力指針を改定することで合意しているし、英国とオーストラリアがこれを支持している大勢を意識したものと考えられる。

 しかし政府の態度には理解できない点が多い。まず‘韓半島と韓国の主権に関連した部分について韓国の同意が必要だ’という話は集団的自衛権行使と全く関係のないことだ。 他国の軍隊がわが国の領土や領海に入ってくる際に同意権を行使するのは主権国家の独自の権利だ。これをあたかも集団的自衛権行使によって生じうる危惧を打ち消すか区別な仕掛けであるかのように主張することは国民をあざむくものだ。

 このような我が国の立場を米国に伝えたことも問題だ。日本が集団的自衛権を行使するのを米国が容認したと言っても、それを行使するのは日本自身だ。いくら米国の力が強力だとしても集団的自衛権行使の主権者である日本に直接我々の意見を言わずに、米国を通じて間接的に話すのは外交的にも実質的にも望ましくない。

 我が国が有事の際の作戦統制権を行使することを米国に事実上永久に求めておきながら、戦時に起きうる自衛隊の我が国への領土・領海への進入について我々の同意を求めろというのは論理的に矛盾する。日本の自衛隊が有事の際に我が国の領土や領海で作戦を行うことを我々が根本的に統制するには、我々が戦作権を行使しないことには不可能だ。

 何より重要なことは、政府が外交・安保の構想もなしに、このような問題に場当たり的に対応しているという印象を与えることだ。日本の集団的自衛権行使はそれ単独で存在するのではなく、韓-米-日ミサイル防御、韓-米-日軍事同盟と緊密に連結されている非常に複雑な事案だ。朴槿恵政府が進める東北アジアの平和協力構想や北韓問題解決の努力にも冷水を浴びせることになりうる問題だ。韓半島の未来に対するビジョンなしに、その場その場の事情で対応することは羅針盤なしで航海するようなものだ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/608816.html 韓国語原文入力:2013/10/28 18:48
訳T.W(1225字)

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