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[社説] 全斗煥追徴金完納と残された課題

登録:2013-09-11 19:35 修正:2013-09-12 07:17

 全斗煥元大統領の長男チョン・ジェグク氏が10日記者会見を行い、父親の未納追徴金完納のために家族の財産を差し出すと明らかにした。最高裁の確定判決から何と16年すぎた後に隠していた財産を渡すというもので、あまりに遅い。それも検察捜査のメスが迫り世論の非難が洪水のように押し寄せてついにやむをえず音をあげた感が濃い。

 今回の追徴金完納はクラウドソーシングを通じて国民的関心を引き起こした<ハンギョレ>をはじめとするマスコミの集中報道と、特別チームまで編成した検察の執拗な追跡が引き出した成果だ。権力を利用した不当な蓄財は結局は尻尾を捕えられるという貴重な教訓を残したことで、これまで返還の成り行きを見つめて心の底から応援を送っていた市井の声の勝利とも言うに値する。

 しかしまだ課題は残っている。まず検察の捜査過程で分かった脱税などの様々な不法行為をそのままにして置くべきかという点だ。検察は "原則通り捜査しつつ、自主納付などの色々な状況を勘案して処理する予定" と明らかにした。善処するという趣旨だ。しかしそれではいけない。不正蓄財した秘密資金を元手に増やした財産が1兆ウォンに達するという評価が出てくるほど、天文学的蓄財をしておきながら、"29万ウォンしかない" として国民を愚弄したのはついこの前だ。金を隠す過程であらゆる不法を犯したことも分かっている。不法行為は法に従って厳正処理することによって正義が勝つと示すことこそが、権力型不正の再発を防ぐものだ。

 徴税回避処として幽霊会社を設立し金を引き出していたという疑惑を受けているチョン・ジェグク氏と米カリフォルニアに1000億ウォン台のワイン醸造場を運営しているとの疑いを受けている三男のチョン・ジェマン氏らの海外財産や金融財産は今回の納付財産目録に一つも含まれていない。代わりにソウル延禧洞(ヨニドン)の自宅と慶南(キョンナム)陜川郡(ハプチョングン)の先祖の墓を目録にのせている。先祖の墓まで売って納付する姿を通じて世論に訴えようとする意図が読まれる。しかし2004年に次男チョン・ジェヨン氏所有の債券73億ウォンが父親の秘密資金と明らかになったように、隠している金融資産と海外財産が依然として相当額にのぼると推定される。万一、不正蓄財した元手を利用して増やした財産ならば、追徴金完納とは別にこれもまたどんな形であれ社会に還元するに値する。

 これまで必死に捜査してきた検察はこのような点をあまねく考慮して、最後まで厳正なものさしをもって有終の美をおさめることを望む。またこの機会に借名口座を開設した金融機関だけを処罰することになっている金融実名制法や、滞納しても加算金や利子がつかない刑事訴訟法上の追徴金制度にも手を加える必要がある。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/602951.html 韓国語原文入力:2013/09/10 20:30
訳T.W(1264字)

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