本文に移動

[クォン・テソン コラム] 南々信頼プロセスから構築しよう

登録:2013-02-26 09:36 修正:2013-02-26 23:11
クォン・テソン編集人

 朴槿恵(パク・クネ)時代が開幕した。 初の女性大統領の登場という歴史的意味にもかかわらず、新たな5年に対する国民の期待はすでに急速に冷却している。 就任式直前に実施されたある世論調査では朴大統領に対する支持率が選挙当時の得票率をはるかに下回る44%まで落ちた。 閣僚と秘書陣の人選、および政府組織法処理過程であらわれた経験と知性の不足と不通に加えて核心公約の破棄により信頼の政治家というイメージまで動揺し生じた現象だ。 これでは就任後1年も経たずに危機状態に陥るのではないかとの憂慮の声があちこちから聞こえてくる。

 だが、朴槿恵政権は失敗してはならない。 大韓民国にはそんな余裕はない。 経済状況は病が重く、貧富格差の深化などで社会的葛藤は危険水準に達している。 北韓はロケット発射と核実験で安保地形を揺さぶり、隣国の中国と日本は領土問題などを巡り葛藤の強度を高めつつある。 一瞬でも狂いが生じれば大韓民国号が奈落に堕ちることもありうる状況だ。 就任準備過程で明らかになった試行錯誤を正し、一刻も早く国民が安心できるよう隊列を整備しなくてはならない。

 先ずは足元に火が付いた北韓第3次核実験で造成された核危機の解決だ。 米国を始めとする国際社会は対北韓制裁の強化を声を高めて叫び、バーウェル ベル前駐韓米軍司令官のような人は予防的先制攻撃方案まで挙論している。 ジョン・ボルトン前国連駐在米国大使は核兵器を放棄する政府が韓半島を統一すべきとし、事実上 北韓政権除去論を提起した。 国内では戦術核再配備論から自主核開発主張まで出ている。

 だが、そのうちのどれ一つも北韓核問題を解決する実効性ある方案にはなり難い。 北韓は深刻な制裁の中でも核開発を止めるどころか核技術を高度化してきた。 制裁は罪のない北韓人民の苦痛を加重させただけで核開発を防げなかった。 予防的先制攻撃は私たちとしえは決して受け入れられないカードだ。 全面戦争に飛び火する危険はもちろん、その攻撃で北韓の核兵器が爆発すれば、私たちが被る被害は到底言葉では言い表せない。 爆発による直間接被害はもちろん、放射能による汚染で韓半島は福島地域よりきびしい不毛地になり得る。 北韓政権を除去して韓国が北韓を吸収する統一方案は、やはり容易でない課題だ。 中国の同意もそうだが、その過程で体験しなければならない混乱と危険も決して見逃しにくい。 戦術核配備や自主核開発は韓半島非核化という目標に逆行するだけでなく、それでなくても深刻な東北アジア地域の軍備拡張競争を加速化し、この地域の安保をより一層危険にするだろう。

 事実、去る20年間増幅一路を歩んできた北韓核危機は体制維持のための抑止力を確保しようとする北韓の執拗な努力とこれに対応した韓国や米国など友好国の一貫性ない政策が招いた結果と言っても過言でない。 危機の解決法は問題の本質を直視するところから出発する。 周辺国が北韓に政権転覆を試みないという信頼を与えられない限り、核危機の平和的解決は不可能だ。 そうした点で朴槿恵大統領が就任辞で韓半島信頼プロセスを強調したのは正しい方向だ。

 しかし、永い歳月に重々積み上げられた不信を取りはらい信頼を醸成することは口で言うほど容易なことではない。 外部条件がどのように変化しようが政策の一貫性を維持することが重要な所以だ。 ドイツが分断40年余ぶりに統一という偉業を達成したのは、保守的なキリスト教民主連合出身だったヘルムート コール前西ドイツ総理が社民党出身のウイリー・ブラント前総理の東方政策をそのまま継承して一貫して推進してきたおかげでもある。 そしてそれは西ドイツ社会内部の合意があったために可能だった。 だが、我が国ではこの間 対北韓政策を巡る内部葛藤が少なくなかった。 もうその葛藤の輪を切って、少なくとも対北韓政策だけでも社会的合意を形成しなければならない。 南北信頼プロセスに先立ち、対北韓政策の長短期目標とその段階的方法論に対する社会的合意を形成していく南々信頼プロセスが必要だという話だ。 そしてそれこそが朴大統領が韓半島平和と統一の礎石を置く道だ。

クォン・テソン編集人 kwonts@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/575424.html 韓国語原文入力:2013/02/25 22:07
訳J.S(1876字)

関連記事