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「韓国を追い抜く」としていた台湾、新型コロナの拡散で政府支持率と経済が「急落」

登録:2022-06-14 09:43 修正:2022-06-14 11:40
4月末以降、感染者・死亡者が急増 
蔡総統の支持率、2020年5月以来最低 
経済成長率も3.91%に下方修正 
今年の1人当たりGDP、韓国を超えるかは未知数
台湾の蔡英文総統が昨年10月10日、台北で開かれた建国記念日の行事で演説している=台北/EPA・聯合ニュース

 「韓国を追い抜く」としていた台湾が、新型コロナウイルス感染症に足を引っ張られている。一時期は100人以下だった一日の感染者が最近は5万~6万人台に達し、政府の支持率が急落、経済成長率も下方修正されている。

 台湾の地上波放送「TVBS」が台湾の成人872人に対して行った世論調査の9日の結果によると、蔡英文総統の国政運営に「満足」という回答は36%にとどまった。3月の調査の時には「満足」は43%だったが、3カ月間で7%ポイント下がった。蔡総統に対して「不満」だという回答は48%で、3月の調査時の36%より12%ポイントも増えた。これは、蔡総統が2020年5月20日に2回目の政権を始めた後の記録としては最低の支持率となる。

 蔡総統は第1期政権の2016~2020年の支持率が一時15%(2018年11月)まで落ちたこともあるが、政権第2期以降は新型コロナ事態にうまく対応したという評価が続き、37~61%の支持率を維持してきた。

 蔡総統の支持率が下落した最も大きな要因は、深刻になったコロナ状況だ。感染力は強いが相対的に致命率の低いオミクロン変異が優勢種となり、台湾政府は従来の厳格な防疫統制を緩和し、事実上「ウィズコロナ」政策に転換した。それに伴い、4月末から状況が急激に悪化した。国際統計ホームページの「アワー・ワールド・インデータ」の資料によると、人口2380万人の台湾は、4月29日現在で新型コロナ感染症の累計感染者数は10万753人だったが、今月11日には284万人へと増えた。新型コロナ感染症による死亡者数も、4月29日現在の862人から、11日基準では4008人に急増した。2年以上800人台にとどまっていた死亡者が、約40日間で4倍に増加したのだ。

 それにより、台湾政府のコロナ対応に満足だという回答は38%となり、蔡総統の支持率36%とほぼ同じだった。これは2021年5月の調査時の満足度61%より23ポイント下がったもの。政府のコロナ対応に不満だという回答は54%で、昨年5月の調査時の33%より21ポイント上がった。台湾政府の新型コロナ感染症の対応について、「不満足」が「満足」を上回ったのは今回が初めて。

台湾の放送局TVBSが9日に報道した蔡英文総統に対する満足度調査の結果の推移。青線が満足、ピンクの線が不満足。台湾は辛亥革命の起きた1911年を基準に年を数え、民国紀元111年は西暦2022年=TVBS報道//ハンギョレ新聞社

 経済の見通しも下方修正されている。台湾政府が先月27日に発表した今年の国内総生産(GDP)増加率の予想値は3.91%で、2月発表時の4.42%より下がった。台湾政府はこれに先立ち、4月にもGDP増加率予想を4.02%に一度引き下げている。台湾当局は「主要な輸出品である半導体に対する需要は依然として強気を示しているが、コロナ感染急増とウクライナ戦争によるインフレなどが影響を及ぼしている」と明かした。

 国際金融・経済機構などの予測も下方修正されるものとみられる。国際通貨基金(IMF)は4月、台湾の経済成長率を3.2%と予測している。当時、IMFは韓国の経済成長率を2.5%と予測し、今年の台湾の1人当たりGDPは韓国を上回るという見通しが続いていた。

チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1046751.html韓国語原文入力:2022-06-14 02:46
訳C.M

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