南アフリカ共和国で既存のオミクロン新型コロナウイルスに感染した後に生成された免疫システムを回避する新たな下位変異株2種類が広がり、保健専門家たちが緊張している。
ニューヨーク・タイムズは2日(現地時間)、「BA.4」、「BA.5」と命名された新たなオミクロン下位変異株2種類が南アフリカ共和国で広がっていると報道した。2つの下位変異株は、北東部のハウテン州とクワズール・ナタール州、西部のウェスタンケープ州で多く広がっている。
南アフリカ共和国の新型コロナ陽性者は4月に入り一日1千人余りの水準に下がったが、最近一週間は一日4千人以上に3倍近く増えた。専門家たちは、陽性者の増加が新たな下位変異株の出現のためなのかを慎重に注目していると同紙は伝えた。
クワズール・ナタール州の塩基配列分析専門家のトゥーリオ・テオルリベイラ博士は、2種類の下位変異株は多くの人がオミクロンに対する免疫を確保している状況で、これを回避しようとする変移様相を示していると指摘した。彼は「現在私たちの確認によれば、完全に異なる変異株ではないが、既存のオミクロンとは異なる系統を形成する過程が広がっているとみられる」と話した。
南アの専門家たちは、新型コロナワクチンを接種せずにオミクロン感染を通じて自然に免疫を確保した人々がこれらの下位変異株に再感染するという証拠が現れていると明らかにした。テオルリベイラ博士は「南アフリカ共和国で陽性者の増加傾向が現れているのはこのため」と話した。科学者たちはこの下位変異株がオミクロンよりさらに深刻な症状を誘発するか否かを確認するための研究を進めている。日本経済新聞は先月26日、京都大学と北海道大学の共同研究チームが南アの資料を基に分析した結果、BA.4とBA.5の変異が既存のオミクロン(BA.1)に比べ感染力がそれぞれ1.49倍と1.4倍強いと推定されると伝えた。
米ワシントン大学の伝染病学者であるアリ・モクダッド博士は、新型コロナウイルスへの感染で生成された免疫は数カ月過ぎれば徐々に弱まり、最近マスク着用が減り旅行も増えるなど防疫措置が緩和されて、再感染が増加するのは自然な現象であるとも言えると指摘した。この変異株がオミクロンのように全世界に急速に広がる危険があるか否かはまだ不確かだと新聞は伝えた。
ニューヨーク・タイムズは、米国の場合「BA.2」として知られたオミクロン下位変異株が支配的になった中で「BA.4」、「BA.5」変異株も一部現れていると伝えた。米国の経済週刊誌「フォーチュン」によると、2種類の新たな下位変異株がカリフォルニア、ニューヨーク、オハイオ、テキサスなど14州で確認されたと疾病管理予防センター(CDC)が明らかにした。