本文に移動

「集団感染発生した療養型病院」でのオミクロンの発症率、デルタの11倍=韓国

登録:2022-04-25 03:11 修正:2022-04-25 09:51
疾病管理庁が療養型病院9院、2588人を調査 
致命率はオミクロンの方がデルタより48%低い 
3回目の接種で致命率85%低下 
「療養型病院の相部屋構造を個室に変えるべき」
2020年12月29日、コロナ感染者発生でコホート隔離されたある療養型病院で、窓辺に立っている患者が降りしきる雪を眺めている/聯合ニュース

 新型コロナウイルスの集団感染が発生した韓国国内の療養型病院を分析したところ、オミクロン株の発症率はデルタ株の11倍を超えることが分かった。オミクロン株の致命率はデルタ株と比べて48%低く、3回目の接種は致命率を84%低下させていた。

 疾病管理庁は24日、昨年10月23日から今年2月18日までの間にコロナの集団感染が発生した9つの療養型病院、従事者および入所者2588人を分析した「デルタ株とオミクロン株が確認された療養型病院の集団発生例の発症率および致命率の比較分析」の結果を「週刊健康と疾病」に発表した。デルタ株の集団感染が6院、オミクロン株の集団感染が3院で、358人(34.39%)がデルタ株、683人(65.61%)がオミクロン株への感染だった。死者数はデルタが62人、オミクロンが36人。

 疾病庁がロジスティック回帰分析を用いて比較危険度を推定したところ、オミクロン株の発症率はデルタ株に比べて約11.18倍高かった。同じ方式で分析した結果、致命率はオミクロン株の方がデルタ株より約48%低かった。

 疾病庁は、ワクチンの感染予防効果分析では有意な結果はみられなかったものの、ワクチンは致命率を明らかに下げると発表した。デルタ株の感染集団では、2回目の接種を済ませた人の致命率は85%、3回目の接種では94%低下していた。オミクロン株の感染集団では、3回目の接種を済ませた人の致命率は未接種者に比べて84%低下していた。疾病庁は「オミクロン株の流行とともにワクチンの感染予防効果は低下したものの、重症予防効果は一定期間維持されていることを確認した」とし「オミクロン株の致命率は低かったが、高い発症率のせいで重症・死亡者の数は増加した。重症の高危険群を集中管理して被害を最小限に抑えるとともに、感染脆弱施設の調査・監視を通じて変異株の特性分析を続けなければならない」と述べた。

 専門家は、今後の感染症の再流行に備え、相部屋の病室構造などを改善すべきだと指摘する。新川連合病院のペク・ジェジュン院長は「療養院や療養型病院は、ワクチンと治療薬によってオミクロン株以降は致命率が低くなった面はある。しかし、施設と感染管理の問題は依然として残っている」とし、「感染の可能性の高い相部屋構造を1人部屋に変更しなければならないが、財政的負担をどうするかについて議論しなければならない。また、感染症に対する療養型病院の対処能力も高める必要がある」と述べた。

 中央防疫対策本部(防対本)の発表によると、24日午前0時現在で一日の新規感染者数は6万4725人。4日連続で10万人を下回り、前週の同じ曜日と比べて2万8270人減少している。死者数は109人で、前日に続き2日連続100人台となった。

パク・チュニョン、クォン・ジダム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1040165.html韓国語原文入力:2022-04-24 16:55
訳D.K

関連記事