感染力の強いオミクロン株の影響
東京都も新規感染者千人超え
日本で新型コロナウイルス感染者が一週間で16倍急増するなど、爆発的な感染拡大が進んでいる。沖縄など米軍基地がある地域を中心に感染力の強い新変異株「オミクロン」の感染者が増えており、東京にも拡大している。
NHKは8日、日本の新型コロナの新規感染者が8480人だと報じた。8000人を超えたのは、昨年9月以降4カ月ぶり。さらに大きな問題は感染スピードが速すぎるという点だ。今月1日534人から4日1265人、5日2635人、6日4472人、7日6208人など感染者が爆発的に増えている。1週間で16倍ほど急増したわけだ。
在日米軍基地がある地域は依然として感染拡大が続いている。沖縄県が1759人で新規感染者が全国で最も多く、3日連続で過去最大を記録した。広島県も新規感染者547人で過去最高水準であり、山口県でも154人の新規感染者が発生した。これら3県は、米軍の緩い防疫対策で感染力の強いオミクロン株が地域社会に広がったとみている。新たに日本に配置される米軍が出国前に新型コロナ検査を受けていなかったことが明らかになり、物議を醸している。
日本政府はこれら3県に対し、緊急事態に準ずる防疫対策である「蔓延防止等重点措置」を9日から今月末まで発令した。自治体長が飲食店などに営業時間の短縮を要請あるいは命令することができる同措置の適用は、昨年10月に発足した岸田文雄政権では初めて。
首都東京も1224人の新規感染者が発生するなど、4カ月ぶりの最高水準に達した。東京都は、このうち7割以上がオミクロン株による感染だと推計している。新規感染者の約40%がワクチンを2回接種した後にブレイクスルー感染したことが調査で明らかになった。東京都は11日から、飲食店などで1グループ8人以内としていた人数制限を4人以下に強化することにした。また、上野動物園など都が管理する施設もしばらく休館することにした。
国際医療福祉大学の和田耕治教授は朝日新聞とのインタビューで「感染力が強いオミクロンとの戦いはこれまでのウイルスと異なるという認識を持たなければならない。短期間で感染者が急増すれば、医療・介護の分野を始め社会が急に機能停止する恐れがある」とし、「接触機会を減らすなど基本的対策を徹底していく必要がある」と述べた。
訳H.J
