世界保健機関(WHO)が、新型コロナの変異株オミクロンはデルタ変異株より深刻な症状を引き起こしにくいとみられるが、軽くみてはならないと指摘した。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務総長は6日(現地時間)、オンライン言論ブリーフィングで「先週最も多い新型コロナ感染者数が報告された」として「オミクロン変異株は、以前の変異株と同様に人々を入院させ死亡させている。感染者の津波は非常に大きく速く、全世界の保健システムを圧倒している」と話した。
オミクロン変異株は肺まで浸透しないなどデルタ変異株より危険度が低いという研究が出ているが、あまりに拡散速度が速いため油断してはならないということだ。
米国ジョンズ・ホプキンス大学の新型コロナ集計によれば、今月2日基準で集計された全世界の一週間の感染者数は1014万人で、その前の週の感染者数524万人より2倍近く増えた。以前の最高値である昨年4月第4週の感染者(579万人)よりも二倍程度多い。特に米国と英国などの欧州で感染者数が急増した。
ただし、一週間の死亡者数は最近1年余りの中で最も少ない4万2480人あまりと集計された。2020年10月第4週に4万1332人を記録して以来、最も少ない水準だ。
これに対して、テドロス事務総長は「1世代のワクチンがすべての感染や伝染を防ぐことはできないかも知れないが、新型コロナにともなう入院や死亡を減らすには依然としてきわめて効果的」だと話した。しかし、全世界的なワクチン普及状況は良くない。テドロス事務総長は「全般的なワクチン不平等が昨年の最大の失敗だった」として「パンデミックの急性期を終わらせるには、科学が贈ってくれた非常に効果的な手段を公平にそして速く共有しなければならない」と話した。彼は今の速度のままであれば、今年の中盤までにすべての国の国民の70%が新型コロナワクチンを接種できるようにしようと提示したWHOの目標を、109カ国が達成できない恐れがあると話した。
アワー・ワールド・イン・データの資料によれば、世界人口のうち一回以上ワクチンを打った人は58.8%に達するが、低所得国家の場合には一回以上ワクチンを打った人は8.8%にすぎない。