新型コロナ・パンデミックにより、多くの労働者がより良い雇用環境を求めて職を離れる「大退職」の潮流が生じている。来月にオミクロン株の影響が反映された数値が公開されれば、このような現象はさらに際立つものとみられる。
米国労働省は4日、昨年11月に自発的に退職した労働者の数は452万7000人にのぼると発表した。10月の420万人から30万人以上増えている。米国の各メディアは「政府が労働市場における労働者の自発的退職を調査している最近20年で最多」と明らかにした。11月の退職率も3%を記録し、前月(2.8%)より高まっている。
労働者の退職が相次いだことで、11月末現在の求人数も1056万2000件を記録した。10月の1100万件に比べるとやや減ったものの、依然として高い水準だ。「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、求職サイト「インディ―ド」の集計結果を引用し、12月末現在の求人数は1200万件だと伝えた。昨年12月にオミクロン株が米国内で優勢となり、3日現在の1日の感染確認数が100万人を超えたことなどが反映されれば、このような流れはより明確に表れるとみられる。
専門家は、コロナ拡散で萎縮していた経済が回復し、米国などの先進国内の労働需要が増えている一方で、労働者たちが退職したり戻って来なかったりする現象を「大退職」と呼んでいる。コロナが引き起こした労働市場の環境変化が、多角的な影響を及ぼしていると分析される。
具体的には、コロナ禍をきっかけとしたベビーブーム世代の早期退職▽生活の質を重視する20~30代の求職パターンの変化▽リモートワークの拡大▽より良い労働条件を求める専門職の移動などの現象が重なったものと解釈される。さらに、人手不足から各社が労働者を引き止めるためにより良い労働環境を提供し、これが連鎖的により良い条件を求める労働者の離脱を加速させているとみられる。また、コロナの拡大に伴って政府が支給した補助金や増額された失業手当なども、従来の職場を離れてより良い職場を求めるための条件を労働者に提供している。
こうした「大退職」の潮流が、これまで使用者優位だった労働市場を根本的に変えられるかどうかについては、まだ意見が分かれている。ただし、11月時点で690万人が失業状態にある一方で、求人数は1060万件という現実は続いている。生産年齢人口に占める、雇用されている人と仕事を探している人の割合を示す労働参加率は、11月は61.6%でコロナ禍以前を下回っている。コロナ禍直前の2020年1月の労働参加率は64.4%だった。