フランスで新型コロナウイルスの新しい変異株が発見されたという論文が、オンライン論文公開サイトで発表された。しかし、同論文はまだ専門家の審査を受けておらず、論文で新変異株としたウイルスがどれほど危険なのかを判断するにはまだ早い。
フランス・マルセイユ大学病院の地中海感染研究センターは、フランス南部のマルセイユと周辺地域の12人から、46カ所の突然変異をもつ新型コロナウイルスの新しい変異株を発見したという論文を医学分野のオンライン論文公開サイト「メドアーカイブ」(medRxiv.org)に最近発表した。同センターによると、最初の感染が発見された人にはカメルーンへの渡航履歴があるという。
センターは新変異株を「B.1.640.2」と名付けた。昨年9月、コンゴで発見された変異の名前がB.1.640だが、センターは今回発見されたB.1.640.2とB.1.640.2が系統発生的に関連があるものの、違いが存在すると明らかにした。同論文はまだ学術誌には掲載されていない。
ウイルスは突然変異を通じて持続的に変化し、このような突然変異の結果、新たな変異株が生まれる。世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスの変異株について、感染力の増大あるいは疫学的に否定的な変化などが確認された場合には主な変異株に分類する。オミクロン株は代表的な「懸念される変異株(VOC)」に分類される。同センターが新たに発見したというB.1.640.2は、まだWHOで調査中の変異株ではない。同センターは論文で、新変異株の発見が「コロナウイルス変異の予測不可能性のもう一つの例」だと記した。