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中国、日本大使を呼び出し抗議「安倍氏、台湾問題に口出しする資格ない」

登録:2021-12-03 08:54 修正:2021-12-03 11:49
中国外務省、「安倍発言」に関して日本大使を呼んで抗議 
安倍元首相「台湾への武力侵攻を見過ごすことはできない」 
中国の誤った判断を牽制、日本の介入の可能性を示唆
王文彬中国外交部報道官は今月1日の記者会見で、安倍晋三元首相の台湾関連発言に対し「誰でも中国人民の限界に挑発するならば必ず頭が割れて血を流すことになるだろう」と警告した=中国外交部提供//ハンギョレ新聞社

 中国の侵攻など台湾有事の際の日本の軍事介入の可能性を示唆した安倍晋三元首相の発言に対し、中国が異例にも強く反発している。

 中国外交部は2日に報道資料を発表し、華春瑩外務次官補(部長助理)兼報道官が前日夜、安倍元首相の発言と関連して垂秀夫駐中国日本大使を呼び出し、抗議(緊急約見)したことを明らかにした。外国の元最高指導者の発言に対して外交部レベルで公式に抗議したのは異例のことだ。

 華外務次官補は「安倍元首相が台湾問題と関連して極端に誤った発言をし、中国の内政に乱暴に干渉して公然と中国の主権に対して挑発し、台湾独立勢力を支持した」とし「これは国際関係の基本原則に厳重に反するものであり、中国はこれに決然と反対する」と述べた。

 また「過去に侵略戦争を起こして中国人民に途方もない犯罪を犯した日本は、台湾問題に対してあれこれ口出しする資格も、権利もない」とし「日本側が過去を深く反省し、歴史から教訓をくみ取り、中国の主権を損なういかなる行動もしないよう強く求める」と述べた。

 さらに華外務次官補は「台湾独立勢力に誤った信号を与えてはならず、国家主権と領土を保全しようとする中国人民の固い決心と意志、強力な能力を過小評価してはならない」とし「日本はこれ以上誤った道に進んではならない。そうでなければ火遊びで自らを燃やすことになるだろう」と警告した。

 中国官営メディアも「あくどい発言」など激しい表現を使って安倍元首相を露骨に非難した。官営の「環球時報」は同日の社説で「安倍元首相は台湾に向けた(中国の)軍事行動を政治的自殺行為だと主張した」とし、「日本の安倍元首相が主張する台湾政策を執行するならば、これは日本の自殺行為となり、単に経済的側面の自殺行為に止まらないだろう」と主張した。

 同紙はさらに「日本の一部の右翼政治家は日中間の力のバランスが完全に変わったという点を知るべきだ」とし、「日本が中国を植民化して苦しめることができるという昔の夢から覚めることを願う。そのような時代は過ぎた」と強調した。

 これに先立ち、安倍元首相は前日午前、台湾の財団法人の国策研究院文教基金会が準備した「新時代の日本―台湾関係」をテーマにしたオンラインフォーラムに出席し、「日本は中国の台湾への武力侵攻を見過ごすことはできない。習近平主席を含む中国指導部は断じて見誤るべきではない」と述べたと、「自由時報」など台湾メディアが伝えた。

 特に安倍元首相は「日本と台湾の関係は、日本と米国の関係に匹敵する」とし、「台湾に問題が生じれば日本にも問題が生じる」と述べた。中国が台湾に侵攻した場合、日米同盟が軍事的に介入する可能性もあることを示唆したわけだ。

 また安倍元首相は、先島諸島など日本の島しょは台湾から100キロ程度しか離れていないとし、中国の台湾への武力侵攻は日本に対する重大な危機を引き起こすため日本は見過ごすことはできないと強調した。さらに、中国が台湾に向けた軍事行動に出た場合、世界経済に深刻な悪影響を及ぼさざるをえず、中国も莫大な打撃を受けることになり、これは台湾侵攻によって得る利益よりはるかに大きいと主張した。

北京/チョン・インファン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/1021718.html韓国語原文入力:2021-12-02 15:20
訳C.M

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