中国でしばらく鎮静化していた新型コロナウイルスが再び拡散の兆しを見せていることを受け、当局が防疫を強化している。来月の共産党第19期中央委員会・第6回全体会議(19期6中全会)と、来年2月の冬季五輪を控えている首都北京では、防疫当局が流動人員の最小化のために出入りを厳格に統制する模様だ。
中国の国家衛生健康委員会が26日に発表した内容を総合すると、今月16日に内モンゴル自治区で始まった今回の拡散傾向は、山西(17日)▽湖南・寧夏(18日)▽甘粛・北京・貴州・雲南(19日)、▽湖北(20日)▽青海(21日)▽河北(23日)▽山東(25日)など、すでに31の省級(省、市、自治区)地域のうち12地域に広がっている。同期間に計198人が陽性判定を受けた。
このため、19期6中全会や五輪など重要な行事が相次いで予定されている首都北京の防疫当局は緊張している様子だ。24日現在、人口約2190万人のうち2050万人がワクチン接種を終えたにもかかわらず、最近の感染者の絶対多数が外部旅行後に感染したことが確認され、防疫当局は早々に「市外出入自制令」を発動した。
北京市の徐和建・報道担当は記者会見で「北京居住者は必ず必要な場合を除いて北京を離れず、特に新規感染者が出た地域は訪問しないこと」とし「党・政府機関や国有企業、軍部隊などは所属人員に対する防疫を強化し、北京以外の地域の出入りは事前申請後、必要性を綿密に検討せよ」と強調した。さらに「復帰者に対しては必ず核酸検査(PCR検査)を実施すること」と付け加えた。
北京への人流も最小化することにした。「新京報」などは防疫当局の発表内容を引用し「14日以内に感染者が1人でも出た県(人口10万~25万)級の地域の訪問者は北京への立ち入りが禁止され、現地で14日間隔離期間を経なければならない」とし「地級市(人口25万以上の都市)級の地域の訪問者も可能な限り北京入りを控え、入京する際は48時間以内に実施した核酸検査の陰性証明を提出した後、14日間健康状態の点検を受けなければならない」と伝えた。
1日の新規感染者数が1桁であるにもかかわらず、防疫当局は不必要な団体活動も原則的に禁じることにした。毎年開かれるマラソン大会も中止し、公園、映画館、博物館など文化・娯楽施設も収容可能人数の75%に入場者数を減らすことにした。感染者が発生した地域への交通も制限される。このほか、北京から北西に220キロ離れたオリンピック競技場の位置する張家口市では、昌平区など感染者が出た地域から進入するすべての人員を14日間隔離する方針だ。