世界最大の商品輸出国である中国の生産者物価が過去最大の水準に上昇した。最大輸入国の米国では消費者物価の急騰が続き、2大経済大国が世界経済にインフレの影を落としている。
中国の国家統計局は14日に発表した「9月の物価動向報告書」で、9月の生産者物価が昨年同月と比べて10.7%上昇したと明らかにした。8月の9.5%からさらに上げ幅が大きくなり、同統計を取り始めた1996年以来最大の上昇だ。中国国家統計局は、史上最高値を記録している石炭など、エネルギー多消費分野で価格が高騰したと説明した。
これに先立ち、米国の労働省は13日(現地時間)、前年同月比で9月の消費者物価上昇率が5.4%を記録したと発表した。今年6月と7月に記録した2008年以来最も高い伸び率と同率で、当面物価上昇を抑制するのは難しいとの予測が強まっている。
米国のジョー・バイデン大統領は、ハロウィンからクリスマスまで続くショッピングシーズンを控え、サプライチェーンのボトルネック現象などで物価が急上昇したことを受け、主な貿易港であるロサンゼルス港を24時間運営する方針を明らかにした。また、ウォルマートやFEDEX、UPS、ターゲット、サムスン電子米国法人、ホームデポ、米国労働総同盟-産業別組合会議の代表らとテレビ会議を開き、ロサンゼルス港の24時間稼動への協力を要請したと、AP通信が報じた。主な流通・物流企業も24時間フル稼働に入ることにした。
経済専門家らはコロナ禍で抑えられていた需要の回復やサプライチェーンのボトルネック現象、エネルギー価格上昇が同時進行する中、米中2大経済大国でそれぞれ消費者と生産者物価が急騰したことで、インフレのリスクがさらに高まっていると指摘している。中国の9月の消費者物価上昇率は0.7%にとどまったが、今後、生産者が原価価格の上昇分を中国内外の消費者に転嫁する見通しだ。
米国や中国に次ぐ3大経済圏の欧州も、供給のボトルネック現象で年明けより天然ガスの価格が5倍も高騰し、物価を全般的に刺激している。ユーロゾーン19カ国の9月の消費者物価上昇率の暫定値は3.4%で、やはり高い水準に達した。 日本でもガソリン価格が7年ぶりに最高値を記録するなど、経済に赤信号が灯っている。
こうした中、韓国銀行も14日、9月の輸入物価指数が前月より2.4%上がった124.58(2015年=100)で、7年7カ月ぶりに最高を記録したと発表した。韓銀は、輸入物価が上昇した主な原因として国際原油価格の上昇を挙げた。先月の輸出物価指数も114.18で前月より1.0%上昇した。