全世界的な新型コロナウイルスの再拡散により「流行の第4波」の警告音が大きくなるつつある中、第4波が世界各国の経済回復の努力にも冷水を浴びせる恐れがあるという懸念が出ている。
米国ミネソタ大学感染症研究・政策センターのマイケル・オスターホルム所長は4日、NBCテレビの番組に出演し、「(米国)中西部を中心に現在第4波が始まりつつあるようだ」と述べた。同氏は、前日にミシガン州で1日の新規コロナ感染者が8400人あまりに達したことを根拠として、上のように言及した。ジョー・バイデン大統領の引継ぎ委員会にも助言した同氏は「今後2週間で、全世界的に最も多い(コロナ)患者数の発生が見られるだろう」と警告した。
米国の感染者数は、今年1月には1日31万人を超えていたが、その後は徐々に減少しており、先月初めには4万人台となっていた。しかし3日には6万7000人あまりと再び増加。バイデン政権の強力なコロナワクチン接種政策により、少なくとも1次接種を終えている人は米国で1億人を超えている。しかし、変異株の拡散が新たな悪材料として作用している。
インドのマハラシュトラ州は、コロナ再拡散のため、5日から平日の午後8時から午前7時までの通行禁止と週末の終日封鎖に踏み切った。前日の4日には、インド全域で9万3249人の新たな感染者が確認されているが、これは昨年9月に1日に10万人近い感染者が出て以来、最大の数値だ。この日のインド全体の新規感染者のうち、半分を超える5万7074人がマハラシュトラ州で確認されている。マハラシュトラ州は、インドの経済首都といわれるムンバイを州都としている。インドの国内総生産(GDP)の約14%を占めるほど経済的に大きな位置を占めており、インド経済全体にとってかなりの打撃となると予想される。
欧州ではフランスが4日から3度目の全国封鎖に入った。午後7時から午前6時の間に住居地から半径10キロより外に出る場合は、移動確認書を所持している必要がある。フランスでは1月初めには1日の感染者数が1万人台にまで減っていたが、4日の新規感染者数は6万6794人と、激増を見せている。
「ウォールストリート・ジャーナル」は5日「世界経済は、米国と中国の経済成長、そして加速する豊かな国々のワクチン接種に後押しされて、多くの経済学者の予想より早く回復している」としつつも「欧州からカナダへとつながる新たな封鎖の波が経済成長を脅かしており、資源が限られている低所得および中所得国は取り残されている」と指摘した。