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「慰安婦歪曲」論文のラムザイヤー教授「討論は別の学者の役割…紛争拡大は望まない

登録:2021-03-10 02:38 修正:2021-03-10 07:10
同僚教授にメール送り…問題発覚後、初の公式行事も 
AP通信の報道後、主要外国メディアも相次いで報道
日本軍慰安婦被害者のことを「売春婦」だとする主張を展開して批判を浴びている米ハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授=ハーバード大学資料写真//ハンギョレ新聞社

 日本軍「慰安婦」のことを売春婦だと主張した米ハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授が「論文に関する討論は他の学者たちに任せる」と述べたことが分かった。

 ハーバード大学の校内紙「ハーバード・クリムゾン」は8日(現地時間)、ラムザイヤー教授が先月25日にロースクールの同僚教授に送った電子メールで、「論文の内容について、なぜそう書いたのか、包み隠さず説明したいが、それは私の研究の中心課題ではない」と述べた上で、このように語ったと報じた。ラムザイヤー教授はまた「これは重要で敏感な問題」だとし「これ以上紛争を拡大させたくない」と付け加えた。

 論文についての討論は自分の役割ではないと述べたラムザイヤー教授はしかし、釈明は別途準備していることを明らかにした。同氏はこの電子メールで「どんな内容が私の論文に含まれており、除かれているのか、なぜそのような決定をしたのかを説明する文章と資料を準備中」と明かした。ラムザイヤー教授は先月中旬に「ハーバード・クリムゾン」に2回にわたって電子メールを送り、自分の論文を擁護する短い文章を準備中であり、近く完成すると伝えている。

 ラムザイヤー教授は、慰安婦歪曲論文をめぐる問題以降、公式行事に初めて姿を現してもいる。同氏は8日、ハーバード大学日米関係プログラムが主催したオンラインセミナー「カルロス・ゴーン問題と日本企業の支配構造」に討論者として参加した。ラムザイヤー教授は、学校の授業は正常に行われているが、公開行事に出席したのは今回が初めてだ。このセミナーは、報酬の縮小申告や横領などの容疑で起訴された日産のゴーン前会長が日本を脱出した事件を機に浮き彫りとなった、日本の司法制度の問題点などが話し合われた席だった。ラムザイヤー教授は同セミナーで、日本の司法制度を擁護する主張を行った。

 ラムザイヤー教授の論文に対する批判の世論が広がったことから、主要な海外メディアも相次いでこの事案を報道しはじめた。英日刊紙「ガーディアン」は8日「ハーバード大学教授が、日本軍『慰安婦』女性に関する主張で激怒を引き起こした」と題する記事を掲載した。同紙は、ラムザイヤー教授の主張は「戦時の残酷行為を隠そうとする日本の極右保守派が支持する見解」とし「著名な学者が、同論文は歴史的根拠がないと指摘した」と報じた。ガーディアンだけでなくニューヨーク・タイムズ、FOXニュース、APなどの主要海外メディアが最近、ラムザイヤー論文に対する批判的な動きを報じている。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/986015.html韓国語原文入力:2021-03-09 14:28
訳D.K

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