本文に移動

茂木外相が駐日韓国大使との面会を見送り続けるわけは

登録:2021-03-09 06:08 修正:2021-03-09 06:51
「日本政府、慰安婦など、韓国側が解決策示すまで応じない構え」 
問題解決に乗り出さない韓国への対抗措置
カン・チャンイル駐日韓国大使=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 茂木敏充外相が、新しく赴任したカン・チャンイル駐日韓国大使との面会を意図的に見送っていることが分かった。韓国大使が着任してから1カ月以上外相との面会を果たせないのは、極めて異例だ。

 読売新聞は8日付で、「慰安婦問題や元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟問題で、韓国側が受け入れ可能な解決策を示すまでは(カン・チャンイル大使との)面会に応じない構えだ」と報道した。同紙は政府関係者の話として、カン氏への厳しい対応は「問題解決に動こうとしない韓国への事実上の対抗措置」だと強調した。同紙はまた、外務省幹部の話として「日本の外相が各国の新任大使と面会するのは、儀礼的な意味だけではない」とし、「面会のタイミングは『両国関係を測る尺度』」だと報じた。

 「慰安婦」問題などについてはただちに解決策作りが容易でないだけに、日本政府を相手にしたカン大使の活動はかなりの制約を受けるものと見られる。カン大使は今年1月22日に日本に着任し、新型コロナ防疫対策として2週間の隔離期間を経て、先月12日から大使としての活動を本格的に開始した。カン大使は茂木外相との面会を希望するという意思を日本政府に伝えたという。

 前任のナム・グァンピョ前大使は2019年5月9日に赴任し、4日後に河野太郎外相(当時)と面会した。着任12日目の同月21日には、当時の安倍晋三首相を表敬訪問した。イ・スフン元大使は2017年10月31日に着任し、2週間後に河野外相(当時)との面会を果たした。

 日本政府は「慰安婦」被害者と強制動員問題をめぐり、受け入れられる解決策を韓国側が示すことを韓日関係改善の前提条件として掲げている。今回のカン大使との面会拒否もその延長線上にあるもので、解決策が提示されなければ様々な分野での協力拒否もあり得ること示したわけだ。チョン・ウィヨン外交部長官が新たに任命され、先月9日から業務を始めたが、茂木外相との電話会談すら行われていない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が年頭記者会見に続き、三一節記念式典での演説でも日本政府に対話を呼び掛けたが、日本政府は「具体的内容がない」として、韓国側が解決策を示すべきという従来の立場を繰り返した。

キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/985839.html韓国語原文入力:2021-03-08 11:44
訳H.J

関連記事