ジョー・バイデン政権発足後初の「4カ国安保対話」(クアッド)外相会議が開かれる。前任のドナルド・ドランプ政権が米国主導で日本、オーストラリア、インドが参加する非公式戦略フォーラムであるクアッド(Quad)を中国に対抗する多国間安保同盟(アジア版NATO)に格上げすることを目指していたことから、注目を集めている。
18日のロイター通信などの報道を総合すると、アントニー・ブリンケン米国務長官は同日午前7時ごろ(現地時間)、クアッド参加4カ国外相によるテレビ電話会議を行う。米国務省のネッド・プライス報道官は前日の定例ブリーフィングで「クアッドは自由で開かれたインド太平洋という共通の目標を進展させ、新型コロナウイルスの防疫と気候変動などを含む今の時代の課題に立ち向かうのに当たり重要な役割を果たしている」と述べた。クアッド外相会議は、昨年10月に日本で開かれた対面会議に続き今回が3回目。
これに先立ち、ジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は先月29日、米国平和研究所(USIP)主催のオンラインセミナーでクアッドを「バイデン政権のインド太平洋政策の根本的な土台になる」とし、トランプ政権のクアッド重視政策の継承を予告した。バイデン大統領も8日、インドのナレンドラ・モディ首相との首脳会談で、クアッドを中心にインド太平洋地域の安全保障を強化することで意見が一致した。
ブリンケン国務長官はクアッド外相会議の直後、フランス、ドイツ、英国など欧州主要3カ国(E3)外相と個別にテレビ電話会議を行う。これに先立ち、ブリンケン長官は5日にもこれら3カ国の外相と会談し、新型コロナへの対応と気候変動、イラン、ロシア、ミャンマーの状況など主要懸案とともに中国関連問題も協議した。
ブリンケン長官のこのような動きは、19日にテレビ電話で開催予定の主要7カ国(G7)首脳会議に向けた地ならしと見られている。米国は今回の主要7カ国首脳会議の主要議題として「対中国共同対応」を取り上げている。これと関連し、ジェン・サキ大統領報道官は前日の定例ブリーフィングで「バイデン大統領は今後数週間、各国指導者と中国問題について協議を続ける」と述べた。
こうした米国の動きに対し、中国側は「徒党政治」だとして猛烈に非難している。サウスチャイナ・モーニングポスト紙は18日、中国外交部当局者の話として「イデオロギー対立に基づく徒党政治に反対する。排他的な集まりを構成した少数派が国際社会で自分たちの意志を貫くことにも反対する」とし、「このような行動は国際社会で支持を得られないだけでなく、参加国の利益にならず、世界をより分裂させ、対決を煽るだけだ」と報じた。