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[特派員コラム]バイデン政権の対北朝鮮政策はどのような内容だろうか

登録:2021-02-19 06:21 修正:2021-02-19 08:41
米国のジョー・バイデン米大統領=ワシントン/AFP・聯合ニュース

 20日に発足1カ月を迎える米国のジョー・バイデン政権が、対北朝鮮政策の検討も速度を上げるとみられる。韓米首脳を始め、外交・国防長官、安保室長の間で電話会談が行われ、駐米大使を通じたワシントン現地での会談の調整もなされている。検討に長い時間はかからないだろうという話が聞こえる。

 バイデン政権の対北朝鮮政策とそれ対する北朝鮮の反応により、朝鮮半島が2019年2月のハノイでの朝米首脳会談から止まっている平和の列車に再び乗るのか、2017年以前のような対立と緊張の薄氷を踏む状態に戻るのかに分かれる。

 これまでにバイデン大統領と外交安保の参謀らが語った発言をみると、反トランプの基盤に立ち、圧迫的アプローチに重点を置く可能性を排除できない。バイデン大統領は候補時代、ドナルド・トランプ前大統領が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との写真を撮るばかりで、経済的圧力を弱め、軍事訓練も中断し、人権を無視したと批判した。トランプ前大統領と金正恩委員長の3回の出会いが北朝鮮政権に正統性だけを与え、金正恩委員長をさらに大胆にさせたというのがバイデン大統領と民主党の主流の認識だ。国務省のアントニー・ブリンケン長官とウェンディ・シャーマン副長官、ソン・キム東アジア太平洋担当次官補代行、ジェイク・サリバン国家安保担当大統領補佐官とカート・キャンベル・インド太平洋調整官など、バイデン政権の朝鮮半島担当者が誰よりも北朝鮮をよく知っている専門家だという点にも両面がある。政策検討の時間を短縮できる長所はあるが、北朝鮮非核化の懐疑論に基づく圧力強化に傾くことになる可能性もある。

 しかし、このような過去の慣性では前に進むことはできない。トランプ式「個人外交」を強く批判してきたバイデン大統領の特徴が「専門家のコンセンサス」重視だとみる場合、ワシントンの朝鮮半島専門家が出している意見に注視する必要がある。トランプ前大統領に対するバイデン大統領の強い拒否感情とは別に、トランプ前大統領と金正恩委員長の試みと失敗により再確認された教訓は明らかだ。北朝鮮非核化は数回の首脳会談で一気になされるはずはなく、北朝鮮が最後の安全保障装置だと考えている核兵器を先にすべて放棄するという要求は非現実的だ、という点だ。米国政府が変わるたびに繰り返されてきた挑発-圧迫-対話-決裂の悪循環の輪において、最初の2段階は相互の時間と力を食う消耗的な過程だという点も明らかになった。したがって、非核化は長期的な目標を維持するものの、寧辺(ヨンビョン)の核施設廃棄と対北朝鮮制裁の一部解除のような「スモール・ディール」から始める段階的かつ同時的な方法を選ばなければならないという声が強い。オバマ政権時代に国防総省の北朝鮮担当先任補佐官だった米国平和研究所のフランク・オム先任研究員は、昨年末の寄稿で、バイデン政権に「果敢な平和攻勢をかけよ」と提案もした。朝米の緊張緩和のために、実務交渉再開の意向や朝鮮半島での米国の戦略資産展開の中断、韓米合同演習の縮小・中断、部分的・期限付きの制裁解除、人道支援など、具体的で多様な措置をそろえ、北朝鮮に先に手を差し出そうということだ。

 バイデン政権の対北朝鮮政策は圧力か対話の二者択一ではないだろう。しかし、どちらに重点を置くのかにより、それはオバマ大統領の2期目の圧力政策である「戦略的忍耐」の事実上の二番煎じになり得、クリントン大統領の2期目の包括的・段階的アプローチである「ペリー・プロセス」を飛び越える何かになり得る。新型コロナの国内状況のためでもあるが、ひとまず米国政府の政策検討が進められている間は、北朝鮮と米国が互いを刺激する行動や発言を慎んでいるのは肯定的に思われる。現実的で実用的な朝鮮半島問題の解決法を新たに描けるよう、韓国・北朝鮮・米国のすべてが慎重な姿勢で知恵を集めなければならない。

//ハンギョレ新聞社

ファン・ジュンボム|ワシントン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/983502.html韓国語原文入力:2021-02-19 02:40
訳M.S

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