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アストラゼネカのワクチン、南ア変異株への効果の疑問に対し英仏「あまり恐れずとも」

登録:2021-02-10 02:48 修正:2021-02-10 09:00
アストラゼネカのコロナワクチン/ロイター・聯合ニュース

 英国の製薬会社アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンが、南アフリカで発見された変異ウイルスに対する効果が低いことが明らかになった中、世界保健機関(WHO)や英国、フランスなどが、同ワクチンの効果を擁護した。すでに同変異株の震源地である南アフリカ政府は、同社のワクチンの接種を保留している。

 イングランド副主任医務官のジョナサン・ヴァン・タム教授は8日(現地時間)午後のブリーフィングで、アストラゼネカのワクチンが南ア変異株に対しては効果が落ちるという研究が出てはいるものの「あまり恐れる必要はない」とし、「当面の問題は英国変異株で、今後数カ月以内に南ア変異株が主流になることはないとみられる」と述べた。同氏は、南ア変異株に合わせたワクチンを秋に追加接種することになるとみられると付け加えた。アストラゼネカのワクチン開発を主導したオックスフォード大学のサラ・ギルバート教授は「南ア変異株に効果的なワクチンは秋までに準備できる」と述べた。

 フランスも同日、保健相が自らアストラゼネカのワクチンを接種して宣伝に乗り出した。医師でもあるオリヴィエ・ヴェラン保健相はパリ近くのある病院でワクチンを接種し「現在、フランスで拡散しているウイルスの99%は南ア変異株ではないというのが、科学界と医学界の評価」とし「フランスでは、アストラゼネカのワクチンでほぼすべてのコロナウイルスから守られる」と述べた。

 WTOもアストラゼネカのワクチンに対する過度な懸念に対し憂慮を表明した。WTOのテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局長は前日、南アフリカがアストラゼネカのワクチンの使用を保留したことについて、「確かに憂慮されるニュースだが、たった2000人のみを対象として行われた研究は標本が小さすぎる」と述べ、さらなる研究を求めた。WTO、GAVIアライアンスとともに、国際的なワクチンの共同購入・配布のための組織であるCOVAX(コバックス)ファシリティを率いる感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)のCEOであるリチャード・ハチェット氏は「アストラゼネカのワクチンは依然として重要であり、命を救う道具」だとし「廃棄するにはまだ早い」と述べた。

 先にオックスフォード大学は、アストラゼネカのワクチンでは、南ア変異株による軽症または中等症の症状の発現は防げないことが分かったと明らかにしており、南アフリカのウィットウォータースランド大学の研究陣は、南ア変異株に対するアストラゼネカのワクチンの効果は10%を下回ると発表している。

チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/982436.html韓国語原文入力:2021-02-09 12:11
訳D.K

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