2月末から新型コロナウイルスの予防接種が始まるが、専門家は現在、国内に導入される予定の4種類のワクチンはいずれも重症化防止に効果があると評価している。高齢層に対する効果をめぐって疑問などが提起されてはいるが、とりあえずはワクチンを接種した方がよいとの解釈だ。疾病管理庁は8日、コロナワクチンに対する国民の疑問を解消するため、専門家とともに予防接種特集ブリーフィングを行った。年代ごとに一般市民からの質問を事前に受けるとともに、ブリーフィングの途中でもユーチューブを通じて質問を受けた。以下は主な問いとそれへの回答。
-ワクチンはコロナ変異株にも効果があるか。
ナム・ジェファン(カトリック大医生命科学科教授):英国発の変異株は、すでに開発されている大部分のワクチンが十分な防御効果を示している。ただし南アフリカ発の変異株については、ワクチンによっては誘導された中和抗体の防御能力が少し低くなると報告されている。アストラゼネカのワクチンは、既存のウイルス株に対しては60%ほどの予防効果があるが、南アフリカ変異株は20%ほどしか防御できない。ワクチンの効果は2つ。1つはウイルスが体内に入ってこないようにする効果。もう1つは、体内にウイルスが入ってきても重症になること、ひどくなることを防ぐ効果。現在、国内に導入されるすべてのワクチンは、接種者が重症化するのをある程度防ぐと考えられる。
-コロナワクチンの接種によってコロナ感染症にかかる可能性はあるのか。
チェ・ウォンソク(高麗大学安山病院感染内科教授):現在開発されている大半のワクチンは、その中に生きているコロナウイルスが入っているわけではない。ただしワクチンを接種したとしても十分な免疫反応が起こらず、コロナにかかってしまう人は存在し得る。しかし、ワクチンを接種したためにかかるわけではない。
-コロナ予防接種も毎年受けなければならないのか。
チェ・ウォンソク:ワクチンの予防効果がどれだけ長く続くのかについては、まだ結論が出ていない。もしも予防効果が持続する期間が1年未満だったとすれば、再接種を受けなければならないだろう。再接種するとすれば、インフルエンザの流行時期と似たものになる可能性がある。2つのワクチンを同時に接種するには、同時接種時の免疫反応と異常反応に関する資料が必要となる。
-高血圧や糖尿病などの慢性疾患の患者にとってもワクチンは安全か。
チェ・ウォンソク:慢性疾患の患者に対するワクチンの有効性と安全性を分析した結果を見ると、他の群に比べて特に異なる結果は示されていない。論文によると、大半の慢性疾患の患者に対してもワクチン接種が勧告されている。重症の免疫低下が見られる患者の場合は、ワクチンを接種した時に誘導される免疫反応が、慢性疾患のない人よりやや落ちる可能性はあるが、感染した時に現れうる合併症や死亡の可能性は慢性疾患のない人より高い。その点から接種は受けたほうがよい。
-ワクチンを接種したら、すぐに外出したり、私的な会合に参加したりできるか。
ナム・ジェファン:ワクチン接種後も少なくとも2週間は気をつけなければならない。ワクチンが体内に入れば、免疫細胞を訓練し、コロナウイルスに対する防御効果が現れるようになるまでに、少なくとも2週間という時間が必要だ。また国内に導入されるワクチンは、重症となることは防いでも感染そのものはうまく防げない可能性がある。したがって、ワクチンを接種してもマスクをしなかったり、会合に多く参加したりすればウイルスに感染する恐れがある。
-訪問接種も行われるそうだが、申し込めば誰にでも来てくれるのか。
医師や看護師がすべての家を一軒一軒訪問するのは難しい。集団で生活する高齢者の療養施設や重度障害者施設などには、訪問接種チームが出向いて接種することを計画している。移動に困難がある場合は、家族や療養保護士、その他の助けてくれる人の助けを借りて、予防接種センターや委託医療機関で接種を受けることを勧める。
-薬物アレルギーがある場合、ワクチンを接種しても大丈夫か。
チェ・ウォンソク:アレルギーの最も多い形態は、肌に軽い発疹ができるというもの。その程度ならワクチンは接種してもよい。ただ、ワクチンを構成する成分に対して重度のアレルギーがある人は危険だ。過去に重症の異常反応があった人は一般的に本人がどんな薬が危険なのか知っているはずなので、情報をまず確認する。予診の際にも本人が告げた方がよい。