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国連人権理事会に中国・ロシア・サウジ?…人権団体「放火犯が消防隊に入るのと同じ」

登録:2020-10-14 06:27 修正:2020-10-14 08:01
13日の投票控え、国際人権団体が猛非難 
ウズベキスタン・パキスタン・キューバも不適格との批判が出る
左側から中国の習近平国家主席、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領=国連ウォッチのウェブサイトよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 「放火犯を消防隊に入隊させるのと同じだ」

 中国やロシア、サウジアラビアなど人権侵害の議論が多い国々が、世界の人権問題を統括する「国連人権理事会」の理事国に選出される可能性が高まり、国際人権団体と各国の活動家が懸念を示している。

 米国のニューヨークに本部を置く国連は13日(現地時間)に選挙を行い、人権理事会の新しい理事国15カ国を選ぶ。人権理事会は3年任期の47カ国で構成されるが、5地域に分けて理事国を選ぶ。新たに選ばれた国々は、2021~2023年まで理事を引き受ける。

 人権団体は大きな異変が起きない限り、中国、ロシア、サウジなどが理事国に選出される可能性が高いとみている。選挙の競争がほとんどなく、これらの国家の国連内における影響力も強いためだ。

 4カ国を選ぶアジア・太平洋地域では、中国とサウジ、パキスタン、ネパール、ウズベキスタンなど5カ国が出馬し、2カ国を選ぶ東欧地域ではロシアとウクライナだけが出馬した。3カ国を選ぶラテンアメリカとカリブ海地域でも、キューバとメキシコ、ボリビアが出馬した状態だ。投票は秘密投票で行われ、97票以上を得れば理事国になる。

 人権団体は、これらの国々の人権状況を批判する文書を国連に送り、各国活動家を集めてオンライン記者会見を開くなど、反対に乗り出している。

 5日、国連を監視する非政府機構「国連ウォッチ」と米国のヒューマンライツ財団、ラウル・ワレンバーグ人権センターは、中国とロシア、サウジアラビア、パキスタン、キューバ、ウズベキスタンなど6カ国が人権理事国として「不適格」だとする30ページの意見書を国連に提出した。国連ウォッチのヒレル・ノイアー事務局長は「これらの独裁国家を人権に関する国連の審判に選ぶのは、放火犯を消防隊に入隊させるのと同じだ」と批判した。

 これらの組織は、各国の状況を具体的な事例を挙げて説明した。中国は、独立に対する懸念から100万人を超える新疆ウイグル人を収容所に閉じこめ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する政府の対応を批判した人々を逮捕し拉致したと批判された。サウジは昨年だけで184件の死刑を執行し、ロシアは批判的なジャーナリストを暗殺し、有力な野党要人を毒殺しようと試みたという指摘を受けた。キューバは反政府活動家を拘禁して拷問し、文化と芸術を検閲する法案を通過させたという疑惑がある。パキスタンは児童労働搾取と性虐待が深刻で、宗教的マイノリティーを迫害するという評価を受けている。ウズベキスタンは司法当局の拷問と虐待が広く行われており、合法的な非政府組織が2つに過ぎないなど、市民団体の活動を抑圧しているという指摘を受けた。

 これに先立ち9日には、中国とロシア、パキスタン、キューバの人権活動家とジャーナリストが、国連ウォッチが開いたオンライン記者会見に参加し、自国の人権状況を批判した。米国に在住する中国人の楊建利氏は、中国の習近平国家主席が終身政権を推進し、新疆ウイグルなどを弾圧していると批判した。キューバの人権活動家のローザ・マリア・パヤ氏は、キューバは一党独裁国家であり、政治と表現の自由や宗教の自由などが禁止されていると主張した。

チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/965568.html韓国語原文入力:2020-10-14 02:35
訳M.S

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