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中国人民解放軍、4地域の海上で同時多発訓練

登録:2020-09-30 04:30 修正:2020-09-30 08:08
南シナ海・東シナ海・西海南部・渤海湾一帯で 
先月末に続き、実弾射撃訓練を含む大規模訓練 
専門家「同時多発的、全面的な軍事衝突に備えたもの」
南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島一帯の海上で、中国が造成した人工島に滑走路が敷かれている/AP・聯合ニュース

 南シナ海と台湾海峡一帯で米中間の軍事的緊張感が高まっている中、中国人民解放軍が4地域の海上で同時多発的な軍事訓練を実施した。先月末に続き2回目だ。

 29日のロイター通信などの報道を総合すると、中国軍は南シナ海の西沙(パラセル)諸島近隣の海上で軍事訓練を実施した。中国海事局が26日に出した資料によると、28日午前7時から午後3時まで、西沙諸島近隣の2地域が訓練に伴う航海禁止区域に指定された。

 海事局側は具体的な訓練内容を公開しなかったが、実弾射撃訓練が行われたという。中国軍は6月18日と7月1日にもこの地域の海上で軍事訓練を実施したことがある。ロイター通信は「東シナ海と西海(黄海)の渤海湾の海上でもそれぞれ訓練を行い、西海の南部海上では30日まで大規模な実弾射撃訓練が実施される」と伝えた。

 中国軍は先月末にも、海南島南東側の南シナ海を始め、東部山東省の青島と江蘇省連雲港近隣の西海、渤海湾一帯など、多くの地域の海上で北部・東部・南部戦区司令部が共同で参加した大規模軍事訓練を同時多発的に行ったことがある。

 当時米国は、中国軍が飛行禁止区域に設定した訓練地域にU-2高高度偵察機とRC-135Sコブラボール偵察機などを送り、偵察飛行に乗り出した。これに中国軍が「空母キラー」と呼ばれる中距離弾道ミサイルの東風-26Bと大艦弾道ミサイルの東風-21Dを南シナ海の海上に発射し、緊張感が高まったことがある。

 その後も米国は南シナ海一帯で偵察飛行を続けてきた。中国のシンクタンクである南海戦略態勢感知計画は「26日も信号情報収集分析用のEP-3E偵察機と対潜水艦用のP-8Aポセイドン哨戒機が、南シナ海上空で捕捉された」と伝えた。「サウスチャイナ・モーニングポスト」は軍事評論家の言葉を引用し、「中国は全面的な軍事衝突が台湾海峡と東シナ海、南シナ海の一帯で同時多発的に起きる可能性に備えているだろう」と指摘した。

 両国の外交当局も激しい攻防を繰り広げた。米国のモーガン・オルタガス国務省報道官は27日(現地時間)、声明を出し「2015年9月にホワイトハウスを訪問した中国の習近平共産党総書記は、南シナ海一帯で軍事化を追求する意図はないと述べたが、無謀で挑発的な軍事化を続けている」と批判した。これに対し、中国の汪文斌外交部報道官は28日の定例会見で「南シナ海で国土防御に必要な施設物を建設するのは、国際法に従った中国の合法的権利」だと反論した。

北京/チョン・インファン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/964062.html韓国語原文入力:2020-09-30 02:33
訳M.S

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