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【社説】韓国野党候補の裁判、大統領選後に延期…選挙介入の最高裁長官は責任取るべき

登録:2025-05-08 06:37 修正:2025-05-08 08:34
チョ・ヒデ最高裁長官が1日、ソウル瑞草区の最高裁で開かれた共に民主党のイ・ジェミョン大統領候補の公職選挙法違反事件の上告審宣告裁判のため入場している=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン大統領選候補の公職選挙法違反事件の破棄差し戻し審の初公判が、大統領選挙後に延期された。至極当然の決定だ。異例のスピードでイ候補事件の破棄差し戻しを言い渡したことで、裁判所の政治的中立を傷つけ、司法の信頼を地に落としたチョ・ヒデ最高裁長官は、応分の責任を取らなければならない。

 差し戻し審の裁判所であるソウル高裁刑事7部は7日、「大統領候補である被告人に均等な選挙運動の機会を保障し、裁判の公正性をめぐる議論の余地を残さないために、裁判期日を大統領選挙日後の6月18日午前10時に変更する」と発表した。遅ればせながらも合理的決定を下したことは幸いだが、ソウル高裁も2日に事件が割り当てられた直後に公判期日を定め、召還状の伝達を郵便の代わりに執行官に手渡しさせるなど、最高裁と同じように異例の手続き進行を試みた。このような最高裁と高裁の行動に対する国民的怒りは極に達した。最高裁判事らの上告審の裁判記録閲覧過程の公開を求める署名運動に、2日間で100万人が参加した。民意の強い逆風に直面し、裁判所もこれ以上無理をすることはできないと判断したようだ。主権者が再び民主主義を守ったのだ。

 今回の事態で最高裁はもちろん、司法府全体が受けた打撃は実に甚大だ。憲政の根幹である民主的権力創出の過程に最高裁が介入し、有力候補に対する主権者の選択権まで奪おうとしたことで、「司法クーデター」という批判を免れない状況だ。身を削る反省と懲治がなくては、今後、最高裁が最高裁として権威を保てないのはもちろん、裁判所全体も国民の不信感と抵抗に直面するだろう。司法府の存立自体が危機に陥ったと言っても過言ではない。裁判所内部から実名をかけて「最高裁長官に対する辞任勧告を含め、国民的信頼を回復する案を議論しなければならない」という批判が出てくるのは、相当なことだ。チョ最高裁長官は、このすべての事態に対する責任を取って自ら退くべきだ。付和雷同(自分にしっかりとした考えがなく、他人の言動にすぐ同調すること)した最高裁判事らも、国民の前で深く謝罪しなければならない。

 破棄差し戻し審を担当するソウル高裁が明らかにした裁判延期の理由は、他の事件裁判にも同じように適用されるべきだ。イ候補の「大庄洞(テジャンドン)開発特恵疑惑事件」の裁判も、大統領選挙後に延期された。公式選挙運動期間に候補を裁判に出席させることは、選挙運動に均等な機会が保障されなければならないという憲法第116条に反する。イ候補関連の裁判延期は、裁判所の政治的中立に対する国民の信頼を回復するための最小限の措置だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1196236.html韓国語原文入力:2025-05-07 18:36
訳H.J

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