マイク・ポンペオ米国務長官とマーク・エスパー国防長官が16日(現地時間)、韓国に防衛費分担の増額を要求する内容の共同寄稿文を「ウォールストリート・ジャーナル」(WSJ)に掲載した。米国の外交・国防両長官が共同で寄稿文を出したのも異例のうえ、ワシントンで韓米両国が防衛費分担交渉を終えた翌日という時点で米国が防衛費分担金の増額を有力メディアという公開の場で圧力をかけたのだ。
ポンペオ長官とエスパー長官はこの日、「韓国は扶養依存対象ではなく同盟」と題する寄稿文で、「同盟国として我々は韓国の防衛費を出し合い、韓国国民のための安定的で繁栄した未来を保障するためのより良い方法を探るべき」とし、「世界経済の動力として、そして朝鮮半島平和維持の同等なパートナーとして、韓国は自国防衛にもっと寄与しなければならず、そうすることができる」と主張した。両長官はまた、昨年韓国政府が国防予算を8.2%引き上げ2024年までに毎年7.1%ずつ増やすことにしたこと▽韓国がアフガニスタンやイラク、ペルシア湾に軍を派兵したこと▽韓国が(米国製)兵器の購買を増やしていることなどに言及し、「米国はこのような寄与に感謝する」と述べた。だが、「韓国と米国いずれも現在の状態の維持をこれ以上許さない非常に大きく複雑な戦略的挑戦に直面している」とし、「これが韓米防衛費分担金特別協定(SMA)論議の脈絡だ」と明らかにした。韓国は兵器購入やホルムズ海峡派兵などの面で誠意ある努力をしているが、それとは別に防衛費分担金自体を大幅に増額すべきという意味と解釈できる。具体的な増額金額・範囲、増額比率(%)などには言及していない。
両長官は「現在、両国は再び難しい交渉をしている」とし、「米国は遠い未来においても同盟と連合防衛力を強化できる互恵的で公正な合意に至ることに専念している」と述べた。特に「韓国は、朝鮮半島の米軍駐留に最も直接的に関わる費用の3分の1だけを負担している」とし、「このような費用が増えるにつれ韓国の負担は減っている」とした。そして「韓国が寄与する費用分担の90%以上が、現在在韓米軍が雇用する韓国人職員の月給、建設契約、在韓米軍を維持するため地域で購入した他のサービスなどを通じて、再び地域経済に戻っている。これは両国いずれにも良いことだ」と主張した。韓国の防衛費分担金は、結局韓国経済に流れるものであるため、互いの国にとっても良いという意味だ。
両長官は、「現在の防衛費分担金特別協定は、韓国を防衛するための費用の一部だけを盛り込んでおり、米国は協定により多くのものが含まれるべきと考えている。この費用分担合意を改善することで、双方とも得をするだろう」とし、「韓国がこの荷物をさらに負担することは、(韓米)同盟が朝鮮半島、北東アジア、そして全世界の繁栄と平和の核心軸として続いていくことを保障するだろう」と迫った。韓米両国は前日、ワシントンで第11回韓米防衛費分担特別協定締結に向けた第6回会議を終えた。チョン・ウンボ韓米防衛費分担交渉大使は16日、帰国を前にワシントン・ダレス空港で記者団に対し「これまで防衛費交渉について、さまざまな議題を話し合った。論議の過程で理解の幅も広げ、共感も多くの部分で形成されつつあるが、交渉は最終的かつ包括的に妥結する。一歩ずつ妥結の方向に向かっている。今のところ、意見の違いを解消する過程が必要だ」と語った。