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中ロ「対北朝鮮制裁の緩和を」…米「まだ早い」

登録:2019-12-18 06:24 修正:2019-12-18 08:16
中ロ、南北鉄道・道路協力の制裁免除を提案 
米「北朝鮮、対話拒否して挑発…制裁解除考える時期ではない」 
ケリー・クラフト国連駐在米国大使が今月11日(現地時間)、ニューヨークの国連本部で、北朝鮮のミサイル発射問題を論議するために召集した国連安全保障理事会会議で議事棒を叩いている=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 中国とロシアが16日(現地時間)、国連安全保障理事会(安保理)で、対北朝鮮制裁の一部解除を要求した。これに対し米国は、「今は制裁の緩和を考慮する時期ではない」と対抗し、国際社会の一致した対応を強調した。年末が近づくにつれ、北朝鮮が米国に「新たな計算法」への圧力を強める中、安保理の主要常任理事国が北朝鮮問題の解決をめぐる見解の相違を示し、衝突している。

 中国とロシアは同日、対北朝鮮制裁を一部解除する内容の決議案草案を提案したと、ロイター通信が報じた。

 中ロは草案で、「新たな朝米関係を構築し、相互信頼を築きながら、朝鮮半島の持続的かつ安定的な平和を構築する努力に賛同するとともに、朝米間のすべてのレベルの持続的な対話を歓迎する」と明らかにした。

 草案には南北間の鉄道・道路協力プロジェクトを制裁対象から免除する内容が含まれているという。また、北朝鮮の海産物と衣類の輸出を禁止する規定と国外で働く北朝鮮労働者を全員送還する規定を廃止する内容も盛り込まれたと、同通信は報道した。現行の安保理決議は国外で働く北朝鮮労働者たちを22日までに北朝鮮に送還するように求めている。

 米国は中ロの提案に対し、「今は国連安保理が中途半端な制裁緩和提案を考慮する時期ではない」として、明確な反対意思を表明した。国務省当局者は「北朝鮮は、非核化を話し合うための協議を拒否し、禁止された大量破壊兵器と弾道ミサイルプログラムを引き続き維持・向上させて、挑発を強めると脅しをかけてきた」と述べた。

 同関係者は、「ドナルド・トランプ大統領は、関係の転換や恒久的な平和構築、完全な非核化というシンガポール首脳会談の約束を進展させるのに、依然として専念している」とし、「米国は、これらの目標に向けた進展を成し遂げるための外交に専念している」と強調した。さらに、「米国はこれを一人では実現できない」としたうえで、「国連安保理加盟国は、北朝鮮が必ず挑発を避け、国連安保理決議による義務事項を遵守すると共に、完全な非核化を達成するための持続的かつ実質的な交渉に参加しなければならない点を、一致団結して掲げてきた」と述べた。米国のこのような立場は中国とロシアに制裁の履行への積極的な参加を求めると共に、非核化に関する北朝鮮の実質的な措置があるまでは、現行の北朝鮮制裁を緩和するつもりはないという従来の方針を再確認したものだ。

 中ロの対北朝鮮制裁の一部解除提案が採択されるには、安保理決議が必要だ。15カ国の常任・非常任理事国のうち9カ国が賛成しなければならないため、米国が強く反対する雰囲気の中で採択される可能性は高くない。にもかかわらず、中国とロシアが公式に対北朝鮮制裁の緩和を要求した背景には、北朝鮮に友好的なメッセージを送って、緊張を緩和させようとする側面と、米国の今後の追加制裁や強化を事前に遮断する布石があるとみられる。

 これと関連し、韓国外交部のキム・インチョル報道官は17日、中国とロシアの決議案に明確な立場を示さず、「韓国政府は主要安保理理事国と緊密に疎通し、関連事項を注視している」とし、「現段階で重要なのは、朝米実務交渉が速やかに再開されること」だと述べた。北朝鮮と非核化交渉を行っている米国が制裁緩和に“時期尚早”との立場を示したことなどを考慮した反応とみられる。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/921094.html韓国語原文入力:2019-12-18 02:30
訳H.J

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